ホーム>初期鍵盤楽器>製作家・演奏家>須藤オルガン>仙台フォト日記 >98.11.5
今日は Montre 8' と Praestant 4' の整音の見なおしをしました。
この二つの音栓は敏感で少しの位置関係のくるい(パイプの唇の位置など)が音に顕著に影響します。 特に後者は必ず最初に整音する音栓なので、まだ手が馴れていない、耳が整音作業に入りきっていないときに整音することになります。
したがって、再度見なおしをして、修正しなければならないところは修正して最後の調律に臨みます。
大オルガン製作会社では、整音をしている人は毎日整音ばかりしていますのでこのようなことは無いかもしれません。 私などはオルガンの全てをしますので、本格的な整音作業は年に何回か、という按配です。大オルガンを手がけると3年ほどほとんど整音作業がないこともあります。
今日の画像は再度足場を組んで正面のパイプの整音の見なおし作業中の私の姿です。この足場は私の考案で全て木製、一人でも組めます。 最高6mの高さまでの作業が出来ます。そして、うちのワゴン車に積み込んでも助手席はまだ残ります。組立はくさび止めですからハンマー1丁でできます。
なぜこのようなものを作ったか疑問に思われるでしょう。私は『木のやさしさに・・・』などとは言いません。 アルミの良い足場があれば購入していたでしょう。金属の足場は雑音が耳障りだからです。 木の足場は雑音がしてもあまり気になりません。
私はよく『注文しに行く間に作ってしまおう』と言います。この足場もその考えで作ってしまったものです。 今となっては手放せません。