ホーム>初期鍵盤楽器>製作家・演奏家>須藤オルガン>仙台フォト日記 >98.09.24
現場での作業は一段落して今日は事務仕事などをアパートでしました。
箕口、渡辺の2人は昨晩深夜に横須賀着、今朝から荷降ろしと姫路、宮崎に送る工具部品の発送などを済ませたようです。
今日の画像は オルガン設計の一部、パイプ寸法を決める作業の図表です。
メンズール(【羅】寸法)の中心はパイプの直径です。表示法にはいろいろあり、一長一短です。私はテプファーの標準メンズ―ルを使った表示法を使っています。
この方法の利点は、フィーと律が異なる音栓のパイプ同志でも太めなのか細めなのかの比較が容易なことでしょう。
標準メンズ―ル(8'のCの直径を155.5mmとし、16半音目で半分になる寸法列)に対して 何半音 太いまたは細いと表示するのです。
標準メンズ―ルを使うのは良くないという主張もあります。しかし、標準メンズールの値をそのまま使うのでは良くないでしょう(高音部がえらく細くなる)。単なる表示法、思考の補助として使うのは全く問題無いと考えています。
画像は今回のオルガンのGrand Orgueのパイプのメンズールをこの方法で表示したダイアグラムです。細かくは判りにくいのですが、大体右上がりの曲線になります。直径だけでなく歌口の幅もこの表には記入しています。歌口の幅はパイプの周囲の1/4を標準として何半音広くまたは狭くという表現をします。
このあたりは、過去の経験で決めて行くのではっきりとした計算法などがあるのではありません。「前回のオルガンでこうだったから今回は響きのある建物だからもうすこしこうしたうえでこうしよう」といった感じです。これではまるで判りませんよね。でもそんな感じです。
もちろん歴史上の楽器の資料なども参考にします。