ホーム>初期鍵盤楽器>製作家・演奏家>須藤オルガン>仙台フォト日記 >98.09.23
PCの調子がわるくMailerが使えなくなってしまい中断してしまいました。
申し訳ありませんでした。なんとか再開できました。
オルガン製作者の仕事には色々あり、現在完成作業中の仙台白百合学園のオルガンの納期限は実はとうに過ぎてしまっているのですが、姫路パルナソスホールと宮崎県立芸術劇場のオルガンの定期調律保守作業に行かなければならない時期になってしまいました。
大ホールは1年前から予定が決まってしまうことが多いので、オルガンの保守の日程は一般の予約に優先して取ってもらっています。 他の時に移すことができない約束ですので、仙台白百合学園の校長シスターにお願いをして許していただいた次第です。
仙台白百合学園の仕事は色々な事情で遅れてしまいました。 私の工房としては前例が無いほどの遅れです。遅れていると言うだけで精神的には大変負担なのですが、私にとって本当に助かったのは、仙台白百合学園わけても校長シスターから一度も催促とか叱責とかを受けなかったことです。これには本当に感謝しています。
叱責されてもしなければならない内容を手抜きでするわけには行かないことを一番知っているのは自分ですから。ここのオルガンは聖堂の響きに助けられたこともあり、美しい響きを出すことができたと思っています。
オルガン製作者にはチャンスがあるように思います。このような音響空間を与えられるというのも一つのチャンスでしょう。宮崎県立芸術劇場のような大オルガンをつくる機会を与えられるのもチャンスです。幸運なことであったと思っています。
今日はリード管を残して、作業を中断するにあたって聖堂内部の整理をし、オルガンも外観は完成状態になりました。演奏台部分も整いましたのでその画像をUPしました。
譜面台の位置は高すぎたようなので(試奏したオルガニストにも指摘された)少し下げます。
照明も取りつけました。この照明は送風機が稼動しているときには点灯します。ほとんど送風音はしませんので、消し忘れると送風機が焼きつくことがあります。そのため、照明は譜面台用に5個の電球、ペダル照明に2個の電球を使っております。一度に7個の電球が断線することは多分ないでしょうから。
この照明器具も当工房Originalです。市販の照明器具に気に入ったものが見つからないもので真鍮材を蝋付けし、ソケットを自作してつくっています。
音栓つまみは、かりんまがいの材(チンチャンだかチャンチンだかと言うのですが)を挽いています。ラベルは羊の薄革にペンで墨で書いています。現在入っているのは試し書きで、色々な字体を使っているのです。 この楽器とこの聖堂の雰囲気に合った字体を見つけようとしているのです。まだ決心が付きかねています。
完成後はこの革に乾性油を染み込ませて羊皮紙の雰囲気にします。