ホーム>初期鍵盤楽器>製作家・演奏家>須藤オルガン>仙台フォト日記 >98.10.13
今日は昨日に続き電気仕掛けの音栓操作部分です。
電気のことは皆に説明してやってもらうよりも自分でやってしまった方が簡単なので私がやっています。 その間簡単な調律や整音をしてもらっていました。その間、ストップスイッチは使えないので電線をクリップで挟んでスライダーを動かしてしのいでいます。
画像は昨日の画像のストップスイッチ群の配線が終わったところです。
黒いコの字型したものが並んでいます。これがフォトマイクロセンサーです。
赤外線がコの字の一方から出て、他方に到達すればOFF、赤外線が遮断されて他方に到達できなければONになります。機械的な電気接点が無いので磨耗、酸化などの問題が出ません。 今までの経験でも初期故障が出なければ問題無く動作します。
赤外線を遮断するのは今までの接点の一方をそのまま利用しています。 痛んだ接点でも赤外線を遮断してくれれば良いのですから問題ありません。
フォトマイクロセンサーのスイッチング容量が足りないのでトランジスタで補っています。 配線も今までの前時代的 絹巻線 による配線を止めて、コンピューターで多用されているフラットケーブルにしました。
絹巻線などご存知無い方も多いかと思います。大正時代のラジオいやラヂオなどのコイルなどに使われています。いまでは全く見かけなくなりました。
オルガンで、「部品が無いから修理ができない」 などということがあってはいけないのですが、今回のような電気部品の場合には本当に困ります。 今後このストップスイッチに更に大きな故障が出てくることも予想されます。今回はそれを見越した保守難易度の改良もしています。
オルガン屋の守備範囲がこのように広いことも後継者難の一原因でしょう。