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須藤オルガン工房

仙台白百合学園 1998.9.15

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 今日はPedalのFlute 4'の整音を進めました。 途中まで進んだところでスライダー部分からの空気漏れが見つかり、手直しに手間取りました。

 整音作業は他の木管と変わりません、目新しい情景もありません。今日は別の視点でオルガンの整音について記します。

 オルガンの整音は調律と密接に結びついています。一方、ピアノやチェンバロの整音は調律をした後、調律と独立してできます。

 オルガンのパイプは切り詰めて音を高くしてゆくのですから、最初は少し長め(音は低め)に準備します。その状態で良く鳴るように整音しても長さを切って音を高くすると、音色や音量が変わります。 切ってから音量を上げようとすると出る音は高くなり、パイプの長さが足りなくなります。

 音色や音量を目的の方向に少し近づけたらば長さを切り、また少し近づけるまた切る、という作業の連続です。

 そして、最終的に 音色、音量が丁度良いところで音の高さも丁度よいように持って行くわけです。 一本のパイプに何回手を触れるのか数えたこともありません。おそらく何十回かは手にすることでしょう。

 画像はこのような作業で出てくる金属くずです。4列ほどのパイプを整音調律した後のくずです。大きいパイプは豪快に切れます。小さいパイプでは0.何ミリという単位で切って行きます。

 明日は第二鍵盤の音が出始めます。


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