モデル名 |
T-REX 450XL (HDE) |
製造会社 |
ALIGN RC |
操縦系統 |
エルロン、エレベーター、ラダー、モーターコントロール、ピッチ |
ローター径 |
680/700 mm |
機長 |
650 mm |
飛行重量 (g) |
754 g |
動力ユニット |
Hacker A20-6XLブラシレスモーター、ピニオン15T |
RC装置 |
FUTABA S3103サーボ×4(エルロン、エレベーター、ラダー、ピッチ) |
このキットは感覚的にはプラモデルに近い感じですが、組み立てには接着剤ではなくビスとセルフタップネジを使うので、プラモデルより作業は速く進みます。最初、複雑な構造の図を見て、きちんと組み立てられるか不安でしたが、実際に組み立て始めるとスムースに進みました。キットにはプラスドライバー2種、六角レンチ3本が付属しています。またこのキットはアルミケースに入っています(完成機体は入りません)。
サーボはWAMさん推奨のWaypoint 092SHサーボを使用しました。ジャイロはFutaba GY240、受信機はJRのR770S、モーターはHacker A20-6XL(アウトランナー)、ピニオン17T、アンプはShulze future U12.46e。これらもWAMさんの推奨です。
3.1. スタビコントロールパーツ
取説の順番に組み立てて行けば問題ないのですが、一カ所、スタビコントロールのアルミパーツ(中央にボールリンクが取り付くようになっているパーツ)には、取説4ページの図4の段階でリンケージロッドBを組み込む必要があります。あるいはこの段階ではM2×5ビス(26)をネジロックで固定せず、後でリンケージロッドBを取り付けてからネジロックで固定するとよいと思います。
3.2. ボールリンク
キット付属のボールとボール受けのはめあわせはやや硬めです。そのまま組むと全体の抵抗が大きくなり、操縦しにくくなります。リンクトリマーなどの専用工具で受けの側を少し削ってやるとなめらかに動くようになります。
3.3. ネジロック
このキットにはR48というネジロックが付属していますが、これはLoctite 609相当の嫌気性高強度タイプのようで、取り外しがむずかしくなりそうです。RC-Groupsのスレッドをいくつか見たところ、金属パーツにビスを取り付ける箇所には低強度のLoctite 222でもよさそうなので、筆者はPermatex Low Strength Threadlocker Purpleを使用してみました。R48はメインシャフト用ベアリングとテールドライブギアのフレームへの取り付けにのみ使用しました。
3.4. テールパイプまわり
テールパイプのフレームに取り付く部分、サーボブラケットが付くところ、テールケースが付くところには、締め付けを確実にするために透明ヒンジテープを巻いてみました。全周巻くときつくなる場合は、45〜90度分巻きます。
3.5. ベルトの通し方
この機体の場合、ベルトはまずテールケースに組み込んだ後にテールパイプに通し、フレーム側プーリーに取り付けます。このとき気を付けないとベルトを90度以上ねじってしまうことがあります。
ベルトをパイプに通すとき、最初は先端をフック状に曲げた1.5mmピアノ線でベルトを引っ張ってみましたが、ねじれてしまうことがあったので、Tさんのアドバイスにしたがって以下のようにしてみました。
1) 厚さ3mm、幅10mm、長さ360mmのヒノキ棒の先端にベルトをかけ、マスキングテープで先端を固定し、ねじれないようにパイプに通します。パイプの先端からベルトが出てきたらマスキングテープをはがし、ヒノキ棒を抜きます。テールケースはパイプに軽く固定しておきます。
2) ベルトのループが水平になるように、テールケースが90度横になってテールローターがパイプの上、テールフィンがパイプの下に位置している状態にしてフレーム後部にパイプを差し込み、テールドライブプーリーにベルトをかけます。
3) ベルトにテンションをかけ、フレーム側のパイプ固定ビスをしめます。
4) メインシャフトを回転させて、テールローターの回転方向を確認します。もしテールローターが反対方向に回ったら、ベルトがパイプの中でねじれていますので 1)からやり直します。
5) テールケースを90度回転させて固定します(後方から見た場合には右側に90度回転させることになります)。
ポイントは、2)〜4)ではベルトのループが水平でねじれていない状態だということです。最後にテールケースを90度回転させ、ベルトに90度のねじれを与えます。
3.6. テールのハンチング
テールピッチコントロールのどこかに摩擦抵抗があったり、特にテールピッチスライダーの動きが渋いと、ジャイロをヘディングホールドモードにしたときテールがハンチングを起こす(周期的に左右に振れる)ことがあります。ハンチングを起こす場合はテールサーボやジャイロを疑う前に、まずリンケージ、ボールリンク、テールピッチスライダーの動き、テールローターハブの動きをなめらかに調整しておく必要があります。
2007年2月上旬、初フライトを行いました。まずベテランのTさんにトリムとピッチ/スロットルカーブを見てもらいます。モーターがかなりパワーがあり、ピッチ/スロットルカーブを低めにしてもらいました。
次に筆者がホバに挑戦。舵の反応がよいので、ちょっとオーバーコントロールになります。いったん着陸させ、エクスポを強くします。今度はだいぶコントロールしやすくなりました。やはり屋外でのホバは難しい…でもなんとかヨタヨタながら地上30〜50cmでホバしています。あとは練習あるのみ!バッテリー1パックホバしたところで風が強くなってきたので終了しました。
モーターが非常になめらかに回り、また音も静かです。モーターとアンプのマッチングはよさそうです。練習を重ねて安定してホバができるようになったらぜひガバナーモードを使ってみようと思っています。
2007年2月末、大クラッシュをしてしまいました。
その日は2〜4m/sの風が吹いていましたが、なんとかホバはできそうです。そこでこの日はガバナーに設定してみました。しかし、これがいけませんでした。
3パック目のホバのとき、突風が吹いて機体が大きく上昇し、後ろに流されそうになりました。そこでスロットルをわずかに下げたのですが、まずテールを打ってテールローターが飛び、機体はピルエット状態になって再び上昇し、ここで慌ててスロットルを大きく下げたところ、マイナスピッチで着地し、モーターが回ったまましばらく地面をころがってしまいました。そこでやっとスロットルホールドスイッチを切ってモーターを止めました。
被害は甚大。メインローターとグリップが壊れ、どういうわけかアンテナ線がヘッドにからみついたためにミキシングアームやロッドが締め付けられて壊れたり曲がったりしてしまいました。メインギアは完全になめてしまい、テールドライブギアプーリーもなめてしまいました。テールローターは1枚が割れ、テールケースも割れ、スキッドブレースが壊れました。
今回のクラッシュで、以下のパーツを交換することになりました。
この機会にスタビライザーを片側約9gのタイプ(HS1192)に、テールケースを純正メタル製(HS1108-78)に変更しました。
またすべてのボールリンクを再チェックしました。当初ガタが出るのがイヤでわずかに硬めにしていたのですが、やはり摩擦抵抗が累積するためか操縦性が思わしくないので、すべてのボールリンクをボールリンク用リーマーで調整し直しました。
ガバナーを使う場合はスロットルカーブは横一直線とし、モーターのオンオフはスロットルホールドスイッチで行うのが一般的のようですが、緊急時にはスロットル最スローでモーターを止められるように、ノーマルモードのスロットルカーブを
0-X-X-X-X-X-X(Xは回転数に応じて64〜74%)
に設定しました。
もうひとつの問題は風です。今回は突風にあおられてパニックになり、機体がバックしてきたときに冷静にコントロールできずに機体を壊してしまいました。そこで初心に返って取り組むためにシミュレータの導入を決意。WAMさんの薦めでリフレックス Reflex XTRを入手し、風を設定してホバリングの練習を始めました。シミュレータでピッチ/スロットル操作を重点的に練習し、あわせて側面ホバ、対面ホバに進みました。
そして4月上旬、修理完了した機体を持って河川敷へ。今日も2〜4m/sの風が吹いていますが、ベテランのTさんに見てもらったところ、若干のトリム調整とピッチカーブ調整で安定したホバリングができるようになりました。しかも、今回はシミュレータで練習したためにピッチ操作ができるようになり、風が変化してもなんとかホバリングを継続できるようになりました。シミュレータの威力を痛感しました。
なお、ホバリングが安定するようになったのは、上述のようにスタビブレードを重いタイプ(HS1192)にしたことが大きいようです。ホバリングが安定しなくて操縦しにくいと感じられる場合には交換されることをお薦めします。
現在はローター回転数1900RPMでホバリングと上空飛行をしています。機体サイズと重量から予想していたよりも風には強く、平均6m/s、瞬間最大8m/sの風でもなんとかホバリングできます。
6.1. 対面ホバ、側面ホバにチャレンジ
2007年5月中旬、シミュレータ(Reflex XTR)で側面ホバと対面ホバがほぼできるようになったので、T-Rexで試みてみました。対面ホバは8〜10mの高度で試みましたが、やはり風が吹いているとコントロールが難しく、怖くなったので数秒で正面ホバにもどしました。側面ホバはさらに難しく、まだ10〜20秒ぐらいしか維持できません。筆者には対面ホバよりも側面ホバの方が姿勢変化がわかりにくく、難しい感じです。
6.2. ガバナー設定
2007年5月下旬、ノーマルモードのスロットルカーブを67%横一直線とし、モーターの起動・停止はスロットルホールド・スイッチで行うように送信機を設定しました。またピッチカーブのLではわずかにマイナスピッチになるようにしました。これによって、風が強いときに突風で機体が上空に持ち上げられても、スロットルスティックを下げてマイナスピッチとし(ガバナーなので、スロットルスティック最スローでもモーターは停止しません)、機体を素早く降下させることができるようになりました。ローター回転数は約1900RPMです。
6.3. 上空飛行開始
2007年6月上旬から上空飛行の練習を始めました。約80〜100mの区間を8の字飛行しています。旋回は常に風上側に機首を向けて行っています。つまり風に向かって右側では左旋回、左側では右旋回です。フライトモードはノーマルで、スロットル、ピッチカーブは以下のように設定しました。ローター回転数は約1900RPM(ガバナー)です。
ポイント: |
L |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
H |
スロットルカーブ: |
67 |
67 |
67 |
67 |
67 |
67 |
67 |
ピッチカーブ: |
35 |
53.5 |
64.5 |
70 |
74 |
81 |
98 |
6.4. ベルト交換
2007年6月下旬、ホバリング中にいつもとちょっと音が違うので、着陸させてヘッド回りやテールを調べてみました。テールドライブプーリー(フレーム側)を上から見ると、なんとベルトの歯がいくつかなくなっています。前回ベルトを交換してから118フライト目です。もちろんその日は飛行をやめ、帰宅してベルトを交換しました。外したベルトを調べてみると、歯が付いていても指でこすると半分取れかかっているところがいくつもありました。ベルトは消耗品と考え、早めに交換した方がよさそうです。
・2007年7月下旬、前回ベルトを交換してから39フライトでベルトの横にケブラーが露出しているのを発見しました。念のため外してチェックしたところ、またいくつか歯が半分取れかかっていました。そこで今回は純正ベルトではなく、HDX1152.400に交換してみました。
6.5. ピニオン交換
2007年8月上旬、梅雨も明け、気温がかなり高くなってきました。17Tピニオンでは発熱が心配なので15Tに交換し、スロットルカーブを再調整しました。15Tピニオンではスロットルカーブ75%横一直線でローター回転数は1900RPM(ノーマル)となりました。気温32〜33度の晴れた日に飛行してみましたが、7分間ホバリングと上空飛行をした直後のモーター温度は約60度で、なんとか許容範囲ではないかと思います。
6.6. テールサーボ交換
2007年8月上旬、227フライト目に離陸させようとしたところラダーが効かず、ピルエットに入り、ローターを地面に打ってスピンドルシャフトが曲がりました。スピンドルシャフトを交換しテストしたところ正常に動作したので、ちょっと疑問が残りましたがそのままフライトしました。
その後10フライト正常に飛行しましたが、11フライト目に高度7〜10mで直進飛行中に突然ラダーが効かなくなり、再びピルエットに入りました。すぐにスロットルホールドでモーターを停止させ、なるべく機体が水平になるように降下させました。幸い、草地にほぼ水平に落ちたために機体は無傷でした。
原因はラダーサーボのロックでした(手で回してもホーンがまったく回転しない状態)。227フライト目のトラブルも、今にして思えばラダーサーボがおかしくなっていたのでしょう。ラダーサーボをフタバS3103に交換したところ、正常にホバリングできました。ジャイロは問題ないようです。
6.7. キャノピー交換
2007年12月下旬、秋葉原のラジコン天国でグラスファイバー製イエローキャノピーを購入しました。飛行してみたところ、これまでの白地に赤のキャノピーよりも視認性がよくなりました。ついでに水平尾翼もイエロー(樹脂製)に交換しました。
6.8. サイクリック・サーボ交換
2008年1月上旬、サイクリック用サーボ3個をフタバS3103に交換。エレベーターのレスポンスが改善されました。またメインロータハウジング(センターハブ)を純正グレーメタル製(HS1142T-78)に交換。ローターの回転がなめらかになり、音もわずかに静かになったように感じます。
6.9. 振動発生
2008年2月中旬、しばらく前からエレベーター方向(上下)にガクガクする動きが出るようになりました。ヘッド回りをチェックしましたが特にゆるんでいるところはありません。試しにドラッグボルト(メインローターブレードをグリップに取り付けているボルト)をゆるめたところ、テールの激しい上下動とミソスリが発生しました。そこでL型レンチを使ってこのボルトを以前よりも強く締めたところ、上下動は止まりました。ヘリの調整、メンテナンスのむずかしさを改めて痛感しました。
6.10 メインブレードホルダー交換
2006年6月中旬、メインブレードホルダーを純正金属製(グレー) HS1065T-78に交換しました。
6.11. Sにコンバート
2008年6月下旬、累計302フライトしたところで、MX400Proと比較すると、どうもコントロールが決まらず、舵が甘いと感じるようになりました。ヘッド回りをチェックしてみたところ、スワッシュプレートの動きにけっこうガタがあります。MX400Proはほとんど金属パーツに換えましたので、こちらもノーマル仕様(HDE)のままでさらにパーツをアップグレードすることも考えましたが、たまたまHeliDirectのウェブショップで、TRex450Sのアルミフレームセットを見つけました。このセットと新タイプのテールコントロールセット、CCPMスワッシュを注文し、6月末にコンバートが完了しました。
これまでにパーツを交換してきたこともあり、もともとのXLのパーツはフライバーコントロール、テールブームサポートロッド、垂直尾翼だけ、ということになりました。実質、SとSEの中間の仕様になりましたので、今後のレポートは「T-Rex 450S」のページに掲載します。
関連サイト:
last updated: 2009.11.15