モデル名 |
Blade Nano CP X |
販売 |
E-flite/ Horizon Hobby |
操縦系統 |
エルロン、エレベーター、ラダー、ピッチ/モーターコントロール |
ローター径 |
197mm |
機長 |
197mm |
飛行重量 |
29g |
動力ユニット |
ブラシメインモーター、テールモーター |
RC装置 |
5in1ユニット(AS3Xフライバーレスシステム、2.4GHz DSM2) |
シングル・ローター可変ピッチのマイクロヘリ。3軸ジャイロ搭載で、スタビレスです。先に発売されていたBlade mCP Xよりも、さらに小型化、軽量化しています。BNFキットには、2個のリポバッテリー、DC充電器(単3乾電池4本仕様、ACアダプタは別売)、スペアパーツ(メインローター、テールローター、リンケージロッドなど)、調整用ドライバーが付属します。
本機はDSM2/DSMX対応で、JRのモジュール式プロポ(PCM9X II、11X ZEROなど)に、TD2.4LPモジュールを取り付けることでフライトできます。
※上掲写真ではXG11が写っていますが、XG11などDSMJ、DMSS方式のプロポは使用できません。
・TD2.4LP DSM2 2.4GHzインドア用ローパワーモジュール
2012年9月下旬にA Main Hobbiesに発注、9月末に到着しました。早速、バッテリーを充電し、その間に、JR 11X ZEROを設定します。設定データは、取説に掲載されているDX8の数値を入力しました。
機体をバインドし、念のため、ピッチをチェックします。スロットルホールド時、ピッチカーブ0-25-50-75-100に対して、マイナス側が大きく、50%位置でもかなりマイナスで、プラス側が不足しています。サーボからスワッシュへの3本のロッドの長さを、アジャスター2回転分伸ばしたところ、プラス側、マイナス側がほぼ同じになり、50%位置でほぼピッチゼロとなりました。
ここでホバしてみます。エンコン/ピッチがやや敏感です。また、エルロン、エレベーターも、筆者には敏感です。ノーマルのスロットルカーブ、ピッチカーブを少しなだらかにし、エルロン、エレベーターのD/Rを70%としたところ、だいぶ操縦しやすくなりました。フライトタイムはノーマルで4分、スタントで3分です。
ポジション: |
0
|
25
|
50
|
75
|
100
|
ピッチカーブ: |
30
|
40
|
50
|
67
|
100
|
スロットルカーブ: |
0
|
40
|
59
|
73
|
100
|
なお、筆者は、この機体に使える適当なピッチゲージを持っていません。このため、メインローターブレードをブレードグリップに対して90度の位置にし、先端の上下動の距離を測り、三角関数でピッチ角を求める方法で計測しました。この方法と、クイックチャートは「マイクロヘリのピッチ測定」のページに記載してあります。
2012年9月末、河川敷でフライトしてみました。風は4〜6m/sと、このヘリにはちょっと強めです。風にあおられるため、高度維持はむずかしいですが、3軸ジャイロの威力で、機体は水平を維持します。アイドルアップでアップフリップを試みましたが、わずかにテールが風であおられたものの、小半径でクルッと回りました。さすがに上空飛行はむずかしく、この日は、この1フライトで終了しました。
2012年10月上旬、Helifreakを見ていたところ、「小回りでフリップさせるには、サイクリックのトラベル・アジャストTRAVEL ADJUSTを125%に、ピッチを90%にするよい」という記事があったので、早速、試してみました。
AILE |
L125% |
R125% |
ELEV |
D125% |
U125% |
PIT. |
H 90% |
D 90% |
この設定で、バックフリップを試してみましたが、以前よりもさらに小半径でクルッと回ってくれます。モーターが慣れてきたためか、テールのよれも、少なめです。ピッチのトラベルアジャストが100%ですと、最大ピッチが16度ぐらいになり、負荷が大きく、急激にパワーダウンしてしまいますが、90%ですと最大ピッチ14〜15度となり、パワーダウンはゆるやかになります。4〜5m/sの風でも、安定してホバでき、ダウンで走らせても安定して、水平8の字飛行ができます。mCPXよりも、さらに進化した感じです。
本機は小さく、各パーツ、ネジ類も小さいので、メンテナンスには注意が必要です。ボールリンクは、慣れれば指で外せますが、力を欠けすぎると樹脂パーツを壊してしまうことがあります。
4.1. ゴミ、ホコリ
本機のサーボはギアが露出していますので 、ゴミやホコリには注意が必要です。草地に落としたとき、細い枯れ草がギアシャフトに絡まったことがあります。また、室内でも、綿ぼこりなど、繊維質のゴミが絡みつくことがあります。テールモーターの軸にも、繊維質のゴミが絡みつくことがあります。定期的にチェックし、柔らかいブラシでホコリを落としてやるとよいと思います。筆者は、塗装用のハケと、使い古しの歯ブラシを使っています。
4.2. スピンドルシャフト
スピンドルシャフトは、片側にネジが切ってあり、そこに真鍮製のナットを取り付けるようになっています。このために、樹脂製のナット回しが2個、付属しています。このナットの先端には、黒いシリコン系接着剤が塗布されていました。緩み止めと思います。代用品としては、バスコークが使えそうです。また、ネジロックを使用するときは、低強度(ロックタイト222などパープル系)がよいようです。強いネジロックを使用すると 、取り外すときにナット回しがなめてしまう可能性があります。
なお、このナットはグリップがなめらかに回るように適度に締めつけます。
4.3. メインモーター交換
27フライト目、屋外でフライト中にモーターパワーが急激に低下して降下し始め、墜落しました。草地に落ちたので、被害はありませんでした。調べてみると、メインモーターが劣化したようなので、交換することにしました。交換は簡単です。
まずスワッシュサーボからメインボードに差し込まれている3個のコネクタを外し、モーターからのコネクタを外します。このとき、サーボコネクタの位置と、モーターコネクタの極性を間違えないようにメモしておきます。メインモーターを、下(ピニオン側)からピンセットでゆっくり押して、上方向に抜き出します。新しいモーターを差し込み、ピニオンがメインギアに当たるまで、しっかり押し込みます。あとは、コネクタを元通りに接続すれば交換完了です。
HeliFreakの記事などによりますと、このメインモーターは当たり外れが大きいようです。上述のように交換は簡単ですので、予備を数個、持っておくとよいと思います。
4.3. ダンパーリング
本機のスワッシュのボールリンクの根元には、ゴム製のダンパーリングが取り付けられています。ガタを防止するためのようです。ORCさんのBBSで、シリコン製Oリングを付けるとよい、という記事がありましたので、入手してみました。
Silicone o-ring Size 001 Price for 100 pcs
このOリングは内径1/32"(約0.8mm)、外径3/32"(約2.4mm)で、純正ゴムダンパーよりもやや硬めです。スワッシュの5ヶ所、ブレードグリップ2ヶ所、計7個を取り付けてみました。舵の効きが、わずかにダイレクトになった感じです。
30gを切るマイクロヘリでありながら、可変ピッチ、スタビレスで高い操縦性を持ちます。風がなければ、屋外でもじゅうぶん楽しめるヘリです。4〜5メートルの高度から墜落させても、草地なら、まず壊れません。ただし、小さいので、草が伸びていると、探すのに苦労します。注意深く探さないと、うっかり踏みつけてしまいます。近くになったら、プロポのスティックを動かして、サーボの音を聴くようにすると、早く発見できます。
もう少し、テールの押さえがよければ、と思いますが、これはぜいたくというべきでしょう。メインモーターの寿命が短いですが、ここまで飛んでくれれば、文句はいえません。
その後、メインモーターをブラシレス化するアップグレードキットが発売されました。しかし、この種のアップグレードには注意が必要です。内外の掲示板によりますと、ブラシレス化すると消費電流が増大するため、初期のキットに付属していた25Cリポでは耐えられず、モーターカットなどの症状が出ることがあるようです。現行製品に付属する45Cバッテリーですと、この問題は発生しないようですが、筆者はブラシレス化を断念しました。この機体は、純正の状態で、そこそこのバランスが取れていると判断したからです。
2014.06.08