このウェブページは初期鍵盤楽器 early keyboard instruments を演奏したり、鑑賞するためのページです。ここでいう「初期鍵盤楽器」とは、およそ18世紀以前に用いられていた以下の鍵盤楽器です。
20世紀には、これらの一度は忘れられた楽器(古楽器)が、当時の音楽ともども再評価されようになりました。これらの楽器や音楽はどちらかといえば素朴で単純なものとみなされがちですが、単に進化の初期段階を示すという性質のものではなく、現代人にとってはピアノやピアノ音楽よりも「新しい楽器と音楽」であるといえます。
特にクラヴィコードや小型のチェンバロは軽く場所をとらず、弾きやすく、また近所迷惑になるような音を出さない楽器で、手軽に楽しめる側面を持っています。個人が自宅で楽しむ楽器としての特徴を備えているといってもよいでしょう。
パイプオルガンにもポジティフ・オルガン、チェンバー・オルガンと呼ばれる小型のものがあり、個人用、家庭用楽器としての性格を備えています。
さて、これらの楽器をもっとも活かす音楽は同時代のもの、つまり18世紀以前のものです。作曲家でいえばJ.S.バッハまで、最大限広げて、ハイドン、モーツァルトまでの音楽です。クラシック音楽の中ではややなじみの少ないジャンルですが、虚心に耳を傾ければ、味わい深いものも多数あります。また、演奏しやすい小品も多く、各自のテクニックに応じて、幅広い楽しみ方ができます。
もちろんこれらの楽器は、現代社会ではきわめて特殊なものであり、そのレパートリーにも限界があります。それでも筆者はこれらの楽器が趣味の楽器としてもっと普及してよいと考えています。
最後にひとこと。『ヴァージナル通信』、『久保田彰チェンバロ工房のページ』、『須藤オルガン工房のページ』は、いささか営利目的の宣伝に見えるかもしれません。しかし筆者としては、この効率優先の現代社会で、コツコツと手作りの楽器の普及に努めておられる山野辺さん、久保田さん、須藤さんを応援したい、という気持ちからボランティアでこれらのページを作成しています。この点をご理解いただければ幸いです。
坂崎 紀
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