fly with the wind > エッセイ


fly with the wind
osamu's RC flight
エッセイ
風を見ながら

11. 風の手応え:スポーツカイト

2022年5月から、スポーツカイトを飛ばすようになった。

カイトのおもしろさ、それは「風の手応え」だと思う。特にデュアルラインのフォイルカイト、シナプス170は、4〜5m/sの風の時はかなり引きが強く、足をしっかり踏ん張らないと身体が前に持っていかれるほどだ。

Synapse 170

さらに以前のスタントカイトでは浮かなかったような微風でも揚げられる軽量のスタントカイト、4-Dもおもしろい。軽量のカーボンロッドと薄手のセールを使用し、スパンが1470mmあるにも関わらず、重量は75gと超軽量だ。軽量とはいえ、2〜3m/sの風があれば、いい手応えが感じられる。

4-D

シングルラインのデルタカイト、ゼニス5も、手応えがある。海岸で、一様な海風で揚げればほとんど静止するぐらいに安定すると思うが、河川敷では風は安定していないので、シングルラインのカイトは常に姿勢が変化する。時には大きく姿勢を乱して降下することもある。これは、土手を越えてくる風が巻いていたり、息をつくことが多いからだろう。また、地表で身体に感じる風と、上空の風が違うこともよくわかる。けっこうスリリングで、1本のラインを通じて、上空の風の変化が手に伝わってくる。これもいい手応えだ。

Zenith5

筆者は1993〜94年に、デルタ型(ロガロタイプ)のスタントカイトをいくつか飛ばしたことがある。当時と比べると、現在のスタントカイトは基本デザインは同じだが、細部では随所が改良されていて、より洗練されている。もっとも大きな改良点は、セールの後縁とボトム・スプレッダーをつなぐスタンドオフと呼ばれるロッド。これによって、セールの後縁の湾曲が維持され、カイトを地面に上向きに置いた状態からラインを引くと、カイトが起き上がり、上昇させることができる。

・4ーDのスタンドオフ(左右各2本)

4-D

4-D

4-D

また、当時、知人の持っていたフォイルカイトにも挑戦したが、なかなか飛ばせなかった。それが、最近のフォイルカイトは糸目が改良されていて、シナプス170は、ひとりであっけなく揚げることができた。

ところで、YouTubeでスポーツカイトの動画を検索すると、海岸でのフライトが多くヒットする。海岸では一様な安定した風が吹くので、カイトも安定するし、スタントもやりやすいだろう。

そういえば、以前に数回、房総半島の海岸で、RCグライダーのスロープソアリングをしたことがある。一様な南風が吹き上げている断崖で、グライダーは安定して飛ばすことができるし、海を見ながらのフライトも快適だった。しかし、10分も飛ばすと、ちょっと飽きてきた。どうしてもフライトが単調になってくるからだ。

これに対して、秩父の山でのスロープソアリングは風が変化し、サーマルも発生するので気が抜けないのだが、これが、またおもしろい。

「すっぱい葡萄」といわれるかもしれないが、風が安定しない河川敷でカイトを飛ばすのも、おもしろいと思っている。

【余談】
最近のカイトを入手して感心したのは分解組立のしやすさ。上述のシナプス170、ゼニス5、4-DはいずれもアメリカのPrism Kite Technology社の製品で、コンパクトに収納できるように工夫され、ラインも一緒に収納できる専用のケース/ポーチが付属している。下の写真は、上から4-D 、(1mスケール)、ゼニス5、シナプス170のケース/ポーチ。いずれもフライトに必要なラインなど一式を収納できる。カイトとラインが別のパッケージだと、うっかりラインを忘れてしまうことがあるが、ひとつのケース/ポーチに収納できれば、そういうトラブルは避けられる。保管も運搬も楽だ。配慮が行き届いている。

cases

【関連ページ】
シナプス170
ゼニス5
4-D

last updated: 2023.03.13
2022.06.03

←前のエッセイ

fly with the wind > エッセイ