河川敷でRCグライダーやRCヘリを飛ばしていると、まれに散歩やサイクリングで通りがかる人に話しかけられることがある。
もっとも多いのが「電波はどれくらい届くんですか?」という質問。これは、純粋にラジコンに対する興味からのケースが多いと思うが、中には「遠くに行って電波が届かなくなったら危険じゃないの?」という不安が見え隠れするケースもある。つまり「大丈夫なんでしょうね、ぶつかったりしませんよね?」ということなのだ。
次に多いのが「いくらぐらいかかるんですか?」という質問。適当に答えるが、その答えに対する反応がまたおもしろい。「けっこう、お金のかかる趣味ですね」という反応は少なく、「意外と安いんですね」という反応の方が多い。どうも日本人は見栄っ張りなのか「それぐらいなら、自分でも払えるぞ」といいたい心理が働くのだろう。
質問ではないが「いい趣味ですねえ」といわれることもある。これも、他意のない、率直な感想と思われるケースが多いものの、中には「よくもまあ、いい歳して、こんな子供じみた遊びができるよね」という皮肉が込められているケースもある。だから筆者は「いえいえ、いつまでたっても子供で、こんなことやっています」と冗談めかして答えることが多い。
話しかけてくる人が、必ずしも好意的とは限らない。ひとしきり世間話をした後、「そういえば、この前、同じようなの飛ばしていた人が注意されていましたね」などといわれることもある。これは親切に忠告してくれたというよりも、婉曲に苦情を言っていると解釈するべきだろう。
中には、明らかに不愉快な表情で、黙って通り過ぎる人もいる。「そんなもの飛ばして、人にぶつかったらどうするんだ」といいたげに。電動プレーンはエンジン機ほどうるさくはないが、それでも音はするから、釣り人やバードウォッチャーには歓迎されない。
趣味もさまざま、河川敷に来る理由もさまざま。何をやるにしても、基本的なマナーを弁えて、お互い、気持ちよく、それぞれの趣味を楽しめるといいのだが。