モデル名 |
NINJA 400MR |
製造会社 |
JR |
操縦系統 |
エルロン、エレベーター、ラダー、モーターコントロール |
ローター径 |
203mm |
飛行重量 (g) |
870g |
動力ユニット |
NJM-01 1400KVアウトランナーブラシレスモーター ×4 |
RC装置 |
NFC-01フライトコントローラー |
目次
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JRさん初の4ローターのマルチコプター、クワッドです。4つのブラシレスモーターが固定ピッチのローター(プロペラ)を回転させます。この点では、最近、人気のDJI Phantomなどと同じですが、本機は瞬時にモーターを逆転させることができ、フリップやロール、背面ホバ、背面飛行が可能です。空撮用の安定したクワッドではなく、積極的に操縦してスポーツフライトを楽しむ、運動性の高いクワッドです。
しかし外部視点で操縦する場合、X型フレームや+型フレームのクワッドは前後左右対称なので、方向を見失いやすく、操縦しにくい、という問題があります。そのため、本機では視認性を高めるために、前後対称ではなく、フロントアームが短く、リアアームが長い変形X型フレームを採用し、またアームをカバーする視認性の高い配色のボディを採用しています。この独特のシルエットが、あたかも忍者が大の字になって飛んでいるように見えるところから、NINJAと命名されたのでしょう。
・メーカーページ:JR NINJA 400MR
なお、本機はX BUS対応の受信機とプロポが必要です。筆者はX BUS対応のプロポを持っていなかったので、今回、NINJA 400MRコンボと、XG14プロポセット(RG712BX受信機付き)を秋葉原チャンプさんで購入しました。
スティックヘッドは、50 Products さんの新レバーヘッド(トガリタイプ、ニッケル色)を付けました。このスティックヘッドは親指にしっかり追従し、大きな舵を打ってもずれることがなく、ヘリのコントロールに最適です。これまで、純正を含めていくつかスティックヘッドを使ってきましたが、筆者にはこれがベストです。JR用、フタバ用が発売されていて、以下のページから注文することができます。なお、XG14専用タイプもありますが、筆者は通常のJR用を使用しています。XG14はスティックシャフトが短く、ギリギリですが、もっとも短い状態で取り付けることができます。
2.1. 組み立て
本機は組み立てが必要です。「組立て説明書」には詳細な図が示されていて、組み立ては容易です。また、組み立てに必要なネジロック、スポンジテープ、バッテリー固定ベルトにいたるまで、必要なパーツはすべて含まれている非常に親切なキットです。主に1.5mmと2mmの六角ドライバーを使用して組み立てていきますが、パーツの精度は非常に高く、カーボンパーツ、アルミパーツともに修正加工なしで組み立てられます。これまでにForza 450やT-Rex450などのヘリキットを組んだ経験があれば、5〜6時間程度で組み立てられると思います。
以下に筆者が組み立てた際の注意点を挙げておきます。
・筆者の入手したキットでは、フロントアームの穴位置が「組立て説明書」3ページの図解と一部、異っていましたが、モーター取り付け部の上下を図のようにすれば問題なく組み立てられました。
・アッパーフレームとロアーフレームでフロントアーム、リアアーム、フレームサポートを挟み込むところで、ちょっと手間取りました(「組立て説明書」4ページ)。特にフレームサポートは加工精度が高く、アッパーフレームとロアーフレームの長溝にガタなくぴったり、はまります。全体を組みながら、上からちょっと力をかけて押し込むようにすると、パチンと音がして、正確に溝にはまります。
2.2. モーター、ESC、パワーコントロールボードの取り付け
モーターは図に示された方向にケーブルが位置するように取り付けます。ESCを付属の両面スポンジテープでアームに固定し、モーターケーブルをESCに接続します。完成後、モーター回転方向のチェックを行い、そのときにケーブルを差し替える可能性があるので、この段階ではモーターケーブルは固定しません。
パワーコントロールボードのケーブルに、使用するバッテリーに適合したコネクタをハンダ付けします。筆者は、XT60コネクタを使用しました。コネクタを取り付けたら、パワーコントロールボードを「組立て説明書」の図にしたがって、フレーム下面に両面テープで取り付けます。ESCからの電源ケーブル(赤/黒)を接続する時には、ESCひとつずつ、穴を通して裏に出し、プラス・マイナスに注意して接続するようにします。
2.3. フライトコントローラー、受信機の取り付け
両面スポンジを用いて、フライトコントローラーと受信機をフレームに取り付けます。ESCからの信号ケーブルをフライトコントローラーに接続します。本機はX BUSを採用しているため、フライトコントローラーと受信機は1本のケーブルで接続するだけです。
受信機アンテナは、フレームの穴を利用して結束バンド(タイラップ)で取り付けます。このとき、アンテナ先端がカーボンフレームに接触しないようにテープで固定します。
2.3. プロポ設定
前述のように、本機には、X BUS対応のプロポを使用します。キット付属の「XGシリーズプロポ 共通設定ガイド」にしたがって、プロポを設定します。また、ローターを取り付けない状態で受信機とプロポをバインドしておきます。
2.4. モーター回転方向のチェック
プロポの設定が終わったら、モーター回転方向のチェックを行います。このときも、まだローターは取り付けず、モーターにマスキングテープを貼り付けて回転方向が識別しやすいようにします。※上記サイトの「セッティング」のページに動画があります。
設定ガイドにしたがって電源を入れ、フライトコントローラーを初期化します。次にスロットルホールドを解除して、エンコンスティックを2〜3mm上げます(大きく上げると、モーターは回転しません)。モーターが回転を始めたら、モーターの回転方向を確認します。このとき、モーターの回転は2〜3秒で終わらせます。4個のモーターのうち、どれが逆転しているか、メモしておきます。
ここで、いったんバッテリーを外し、逆転しているモーターからESCに入る3本のケーブルのうち、2本を入れ替えます。どの2本でも構いません。
再度、電源を投入し、モーターを回転させて、回転方向が正しいかどうかチェックします。
フロントアームは短いため 、モーターケーブルが少し余ります。モーターに接触しないように束ねて、結束バンドで固定しました。
2.5. フェイルセーフの設定
次にプロポのフェイルセーフが機能するかどうか、設定ガイドにしたがって、動作チェックします。これは安全上、非常に重要ですので、慎重に行うようにします。
以上で設定は完了です。
2.6. ローターとボディの取り付け
ここでローターをモーターに取り付けます。ローターには番号シールが貼られていますので、「組立て説明書」にしたがって指定の位置に取り付けます。またネジにはネジロックを忘れないように注意します。ローターを取り付けたら、番号シールをはがします。
ボディの被覆をはがし、グロメットを取り付けます。スナップピンでボディを取り付けて完成です。スナップピンは、端の丸い部分を45〜60度ほど折り曲げておくと、取り付け・取り外しが容易になります。
以下の写真はボディを外した状態の本機です。4つのモーター、4つのESC、フライトコントローラーと受信機がケーブルで接続されているだけです。従来型ヘリでは、スワッシュプレートやテールピッチコントロールなどにボールリンクを使い、ロッドで接続しますが 、本機にはそういうメカニカルな部分が一切ありません。当然、機械的な調整も必要ありません。すべてが電子制御されます。これで、安定してフライトできてしまうのですから、ある意味、驚異的です。
3.1. テストホバ
2014年11月下旬、日が暮れてから近所の児童公園でテストホバしました。風が4〜5m/sあったので、2〜3m流されたり、10〜20cmほど上下動しましたが、機体は水平を維持するので、問題なくコントロールでき、ノーマルモード(6軸制御)で3分間、アイレベルでホバできました。本機は回転数の変化で姿勢を制御するので、ローターとモーターの共鳴音が微妙に変化するのがわかります。4モーターダイレクトドライブなので、Stingray 500に比べると、ホバは静かです。
ボディがアームまでカバーしているので、後方からでも視認性はよく、姿勢変化がよくわかります。クワッドはアイレベルだと薄い板状になってしまい、ラダー方向(ヨー軸)の姿勢変化がわかりづらいのですが、本機はボディの配色のコントラストがはっきりしているので、ラダーの修正もやりやすくなっています。よく考えられたデザイン、配色だと思います。
着陸後のバッテリー電圧はセルあたり3.9V台でした。ホバだけなら、あと30秒〜1分ぐらいは飛ばせそうです。
3.2. フリップに挑戦!
2014年11月中旬、風の弱い河川敷でフライトしました。最初のフライトはノーマルモードでホバのみ。笹目の休日さんに写真を撮って頂きました。
次のフライトでは、スタントモードに入れてみましたが、どうもモーターが逆転しません。着陸させて、設定マニュアルを確認したところ、フライトモード切り替えのスイッチの設定が間違っていました。修正して3フライト目にバックフリップと背面ホバに挑戦してみました。エンコン操作が微妙で、けっこう暴れてしまいましたが、なんとかできました。そのときの動画をSHIROさんに撮っていただきました。この日はとりあえずクラッシュせずに飛ばせましたが、ヘリとは操縦感覚がかなり違うので、緊張しました。この機体の特性に慣れるまで、練習が必要です。
3.3. スロットルカーブ変更
スタントモードでフリップや背面ホバをするとき、エンコンの反応が450ヘリとは異り、うまくコントロールできません。たとえば、背面ホバに入れた直後、エンコンスティックを下げて高度を調節しようとしますが、どうも操作が遅れて高度が下がってしまいます。逆にエンコンスティックを下げすぎると、今度は背面状態で機体が上昇してしまいます。何回か飛ばすうちに、多少は慣れてきましたが、それでも、450ヘリのようにはいきません。
そこで、2015年1月初旬に、エンコンスティック50%位置(中央)前後の効きを強くするようにスロットルカーブを変更してみました。
XG14のスロットルカーブは、デフォルトではL-1-Hの3ポイントで、メーカーの推奨は0-50-100%の直線です。そこで、スティック位置35%と65%に新たにポイントを打ち、以下のように設定しました。
この変更によって、エンコンスティック中央付近での効きが強くなり、フリップや背面ホバの高度維持が、450ヘリに近い感覚でできるようになりました。また、ダウンで前傾させて走らせたときの高度維持も、以前より楽になりました。下の動画は、この設定でのフライトをminokasagoさんに撮って頂いたものです。エンコンの効きについては個人差があると思いますが、デフォルトのスロットルカーブでエンコン操作に違和感がある場合には、試してみるとよいと思います。
2015年5月中旬、フライト中にどうも強力なサーマルに入ったようで、機体が急激に上昇していきます。グライダーに比べると全体に小さい機体なので、見る見るうちに機体が小さくなりましたが、独特の形状のおかげで、前後左右を見失うことはなく、なんとか降下させることができました。X字型のクワッドだったら、もう方向が分からなくなっていたと思います。本機のボディデザインの見やすさを再認識しました。
2014.11.23
last update: 2015.05.25