fly with the wind>ミニIFO
fly with the wind
osamu's RC flight
photo by A. Kobayashi
モデル名 |
Mini IFO |
販売会社 |
Wild R/C |
操縦系統 |
エルロン、エレベーター(エレボン) |
翼幅(mm) |
648 |
機長(mm) |
475 |
翼面積(dm2) |
20.6 |
飛行重量 (g) |
121.5 |
翼型
|
平板
|
動力ユニット |
LensRC 22.7mm 17Tブラシレス・アウトランナーモーター 【最初のセットアップ】 |
RC装置 | GWS R4P受信器(72MHz) GWS Pico BBサーボ×2(エレボン) |
・概 要
IFOとは「Indoor Flying Object=室内飛行物体」の略だそうです。ユニークな無尾翼機(実質的にはデルタ翼)です。現在、IFO Mk3、T-IFO(トレーナー)、ミニIFOの3機種がラインナップされています。
・構 造
カーボンロッドとリップストップナイロンで構成され、垂直尾翼は取り外しが可能で、主脚はケブラー糸を外すと折りたたむことができ、収納時は薄い板状になります。ただ平面型はけっこう大きいため、キャリングケースも大面積が必要です。エレボンのサーボホーンを外せばエレボンを折りたたむことができ、さらにコンパクトにすることもできますが、サーボホーンのビスが小さく、現場で取り付け、取り外しをすると落としてなくしそうなので筆者は固定にしています。
・飛行特性
2006年2月初旬、風の穏やかな日に初飛行しました。取説には、まず地上に機体を置いて、スロットルを上げてカエル飛びのようなジャンプをし、エレベーターとスロットル操作に慣れるように、と書いてあったので数回やってみましたが、3〜4回目にそのまま普通に飛行してしまい、初飛行はあっけなく成功しました。
無尾翼機は重心位置がシビアですが、この機体は許容範囲が広く、ほぼ図面どおりの重心位置で問題なく飛行します。ただ図面の位置はやや前重心のようで、筆者はわずかに重心を下げて飛ばしています(キット指定の重心位置を左右翼端にマークしています)。
デルタ翼は失速しないといわれますが、この機体も独特の飛び方をします。アップを引いていくと、失速せず大迎角で飛行し、限度を超えるとそのまま降下します。
最初はエレボンの舵角を上下25度で飛ばすように、という指示があったので初フライトはこの設定で飛ばしましたが、2回目からは上下35度に増やし、エクスポネンシャルを50%かけて飛行しています。
ロールやループは簡単で、特にエルロンをめいっぱい切ると2〜3回クルクルとロールします。
低速、小半径の旋回も可能で、目の前で直径4〜5メートルの旋回を繰り返すことができます。近所の児童公園でも飛ばすことができました(ただし、夜間の誰もいないときです)。
日本の一般的な小学校や中学校の体育館ならじゅうぶん飛ばせるでしょう。
・ドライブ性能と飛行時間
まずはメーカー推奨のブラシモーターのドライブセットを搭載しましたが、通常のフライトには充分な性能です。7.4V360〜400mAhのリポバッテリーでは普通に飛ばして10〜12分、7.4V700〜760mAhのリポバッテリーでは20〜25分飛行します。また低速時はギアドライブとしては静かです。
2006.2
・ブラシレスモーターに換装
その後、LensRCのアウトランナー・ブラシレス・モーターに換装したところ、飛行時間は7.4V400mAhバッテリーで20分、730mAhで35分と大幅に増加しました。やはりブラシレスモーターは効率がよいようで、パワーも充分でフライト後半でのパワー低下もほとんど感じられません。プロペラは8×4と小さくなるので低速飛行にはやや不利かと思いましたが、純正ドライブ並みの低速飛行も可能で、しかも非常に静かです。
ただこのモーターはスピンドルマウントなので、機体への取り付けに工夫が必要です。筆者はヒノキとバルサで台を作って機首のカーボンフレームに接着し、この台にモーターを取り付けてタイラップで固定し、さらに瞬間で固定しました。
スピードコントローラーはキャッスルクリエーションのサンダーバード9。フェニックス10ほど多機能ではなく、電動ヘリには対応していませんが安価で、リポ2セル3セルを自動判別してカットオフ電圧を設定してくれます。またプログラムによって逆転させることが可能で、使いやすいコントローラーです。厚さ2mmの両面スポンジテープでリップストップナイロンに固定しました。
モーター、コントローラーの重量は純正のギアドライブとコントローラーよりも1グラム軽くなりました。
2006.3
・インドアフライト(1)
インドア・フライング・オブジェクトですからインドアでの飛行にも挑戦してみました。ただインドアといっても、アメリカではバスケットボールができる体育館とか大きな倉庫、飛行機の格納庫なども「インドア」です。
2006年3月、まず約10m×20m、天井高約3.5mのスペースで飛ばしてみました。フィギュア・エイトは難しいですが、スロットルを細かく調整して高度を維持し、サークリングを4〜5分間継続することができました。ただ集中力が低下してくると操舵のタイミングが合わず、壁にぶつけたり、スロットル操作を誤って接地させたりしてしまいます。
次に約6m×11m、天井高2.7mのスペースで飛ばしてみました。なんとかサークリングができますが余裕がないため、ほんのわずかな操舵ミスですぐに壁にぶつけてしまい、これはちょっと無理でした。ただ、もう少し軽量化して低速飛行ができればこのスペースでも飛行可能と思います。
狭い空間で飛ばしてみて感じたのは、この機体は操縦性がよく、失速しないということです。ただ、機首上げしすぎると、そのままホバリング状態で降下し、そこでスロットルを急に上げると宙返りしてしまうことがありました。狭い空間ではスロットル操作が難しく、パワーを入れすぎると天井にぶつかり、抜きすぎると接地してしまいます。高度1.5mぐらいを維持するのはかなり難しく、慣れと集中力が必要と感じました。
2006.3
・インドアフライト(2)
2006年3月下旬、バスケットボールコートが2面とれる体育館で飛行してみました。この広さですとあまり緊張することなく飛行できます。ブラシレスモーターは静かなので、飛行している機体はどこか非現実的な感じです。外は風が強い日だったので、風の音や、建物のガタガタいう音がして機体の音はほとんど聞こえないくらいでした。
筆者はスタントをするよりも、正確なコースをスムースに飛ばすのが好きなので、コース取りに注意しながら大きな旋回飛行を継続してみました。ただ、どういうわけか左旋回の方がコースを維持しやすい感じです。筆者のクセか、あるいはプロペラのトルクの影響かも知れません。
2006.4
last updated: 2008.02.20