現在、広くラジコンヘリに用いられているジャイロはテール(ラダー)用のジャイロです。このジャイロによって、ラダー(テール)が安定し、ホバリングやフライトが容易になっています。
このジャイロを、エルロン方向とエレベーター方向にも働かせるのが、3軸ジャイロ 3 axis gyroで、国内製品ではCGY750(フタバ)、TAG-01(JR)、海外製品ではV-Bar/ Mini V-Bar (独Mikado社)、Microbeast(独BeastX社)、GyroBot 700/900 (独LF-Technik社)、AC-3X(独Acrobat Helicopter社)、SK540、SK720(カナダSkookum社)などがあります。
これらのジャイロを使用して安定性を高めることにより、スタビライザー(フライバー)を省略することができます。スタビライザーがないと、重量と空気抵抗が減りますので、そのぶんのエネルギーがメインローターの回転に費やされることとなり、パワーアップがはかれます。また、機械的なスタビライザーがないと運動性が高まるので、3Dの操縦の自由度が増します。
またGyroBot 900はビギナー・モード、ビギナー・アクロ・モードを備えているのが大きな特徴です。ビギナー・モードでは、ホバリングが安定し、適切に調整すればスティックから指を離してもホバを維持するほどの安定性があります。さらにビギナー・アクロ・モードでは、背面ホバも手放しでできるほどの安定性があります。
これらのジャイロは15〜20gと軽量ですので、T-Rex 250クラスからメインローター径1mぐらいまでのヘリに使用できるとのことです。
オリジナルの高画質wmvファイル: GB900bm.wmv [75.3MB]
フタバCGY750、Skookum SK-720も、設定によって、ほぼGyrobot 900に相当する自律安定性を得ることができるようです。
また、SK-720は自動的に水平に復元する機能があり、さらにSK-GPSポジショニング・モジュールを併用すると、定位置でのホバや、指定地点に自動的に帰還させることも可能とのことです。たとえば、3Dフライトやスタントの練習中に、機体の姿勢を見失ったとき、スイッチをオンにすることで機体は自動的に水平に復帰し、さらに出発地点に帰還させることができるそうです。
筆者は、これまでGyrobot 900とMicrobeastを使用しました。
Gyrobot 900はT-Rex450S(スタビレス)、X-500(スタビ付き)に搭載し、ビギナーモードに設定してみました。どちらの機体も、同軸反転のXRB-SRなみの自律安定性を得ることができ、8m/sの風の中でも安定したホバが可能です。ただし、上空飛行では舵の効きがにぶくなります。現場で設定を変更するには、Cockpitプログラムボックスが必要です。
以下の動画は、X-500に搭載したGyrobot 900の動作をチェックしているところです。機体を傾けると、自動的にスワッシュが補正方向に傾き、機体が水平にもどると、スワッシュも水平にもどります。
Microbeastはエンブラ450E(SLM、スタビレスヘッド)に搭載してみました。通常のスタビ仕様の450クラスと同程度にホバリングは安定し、また上空飛行も容易です(下の動画参照)。すべての設定が、本体とプロポだけでできるのも大きな特徴で、パソコンやプログラムボックスを必要としません。そのぶん、設定は慣れるまでやや面倒ですが、いちど基本的な設定をすれば、あとの微調整は容易です。
・ワールドエアモデル
V-Bar/ Mini V-Bar、Skookum製品を扱っています。店主の松本さんは実際に3Dヘリを飛ばしておられるので、詳細な日本語説明書が付いていますし、調整やフライトのアドバイスを受けることができます。また、ブログでは実際の搭載例などが紹介されています。
last updated: 2012.11.09