電動RCヘリコプターの製作、調整、飛行の際に持っていると便利なツール、計測機器などの紹介です。画像をクリックすると拡大されます。
・目次(このページ内のアンカーへのリンクです)450クラス以上のヘリのボールリンクの取り外し、取り付けに使用します。ラジオペンチなどを流用するとボールを傷つけたり、ボールエンドを壊すことがありますので、この専用工具は必携です。
※下の画像のプライヤーは小型電動ヘリで使いやすいように先端をカットしています。
ボールエンド(ボール受け)を削るツールです。各種出ていますが筆者はボールエンドリーマー K-9058(コーセー)を使っています。このリーマーはピロボール径4.7〜5.0mmに対応し、削り具合をネジで調整でき、またネジを回転させてボールエンドをていねいに取り外せるようになっています(RCチャンプ秋葉原店で購入)。
メインローターのピッチを測定するツールです。各種出ていますが、筆者はアラインK10180TAを使っています。軽量で小型なので、400クラスヘリに使いやすくなっています。
メインローターのバランスを取るためのツールです。まず各ブレードの重心を一致させ、次いでバランスを取ります。筆者はHeliMax Blade Balancerを使っています(Tower Hobbies から購入)。
メインギアに取り付けられているワンウェイベアリングを抜くための工具です。クラッシュするとメインギアをなめてしまうことがありますが、このときワンウェイベアリングが壊れていなければ、取り外して新しいギアに取り付けることができ、修理費用を抑えることができます。しかしワンウェイベアリングは高強度のロックタイトを使ってしっかりギアにはめ込まれているので、一般的な工具ではうまく外すことができません。このため、特定の機種用に専用の工具が発売されています。
筆者はMicro Heli 製のT-Rex 450用、Stainless Steel One-Way Bearing Removal T-Rex 450 (MH-T002)を入手してみました(HeliDirect から購入)。糸巻き型のパーツにワンウェイベアリングの付いたメインギアを載せ、ベアリングにピッタリはまる金属ロッド(写真右下)をベアリングに当ててハンマーで少しずつまっすぐに叩いていくと、ベアリングを壊さずに取り外すことができます。バイス(万力)にはさんで少しずつ締めて外すことも出来ます。
微粒子のグラファイト(黒鉛)の粉末。潤滑剤として使用します。テールシャフトのピッチスライダーの部分などにグリスやオイルを塗布すると、細かいゴミや砂粒が付着してトラブルが起こることがあるので、このグラファイト・パウダーを塗布して動作をなめらかにします。筆者はパーフェクト・グラファイトPerfect Graphiteを使っています(Tower Hobbiesから入手)。
120度CCPMのスワッシュプレートが水平かどうかをチェックするツールです。筆者は400ヘリ用(5mmシャフト用)のレベラーT-REX 450 Swashplate Leveler Tool HR1036をHeliDirectから購入して使用してみましたが、やはり目で見るよりもはるかに正確にチェックができました。
スワッシュプレートから上の部分を取り外し、レベラーをメインシャフトに差し込んで使用します。下の画像は、T-Rex 450Sのスワッシュプレートにレベラーを載せた状態を機首側から見たものです。
直列で組まれたリポバッテリーの各セルの電圧のばらつきを補正します。筆者はサンダーパワーThunder Power TP-205Vを使用しています。このバランサーは1〜5セルパック対応で、バランスチェックと単独でバランシングができます(特定の単セルを約400mAで放電します)。コネクタはサンダーパワー用の4ピンまたは6ピンコネクタなので、変換コネクタを作り、ハイペリオンなどの他社製パックのバランスコネクタも接続できるようにしています(Hobby Lobby から購入)。
リポバッテリーの各セルの電圧を測定するツールです。リポメーターまたはセルメーターの名称でいくつか発売されています。フィールドでパックの電圧チェックが簡単にできるので、使用済みパックを誤って再度使用するミスが防げます。また機体のモーターを回したときの電圧降下をチェックすることもできます。機種によっては電池残量をグラフ表示する機能も備えています。
なおリポメーター/セルメーターには、セルバランスを調整する機能を持つものもあります。
多くのセルメーターは、JSTやハイペリオンのバランスコネクターに対応していますが、サンダーパワー社のバランスコネクタはピン間隔が狭く、アダプタを併用しないと測定できません。
回路を切断せずに、プラスまたはマイナスのリード線をクランプして電流が計測できます。電動ヘリ、電動グライダーのモーターの消費電流を計測します。また電圧表示がない充電器の場合は、このクランプ式電流計を使えばバッテリーの充電電流もモニターできます。サーボ、受信機の消費電流も測定できます。
なおクランプメーターには交流のみのものがありますが、これは使用できません。直流用あるいは交直両用が必要です。筆者が使用しているのは交直両用のKYORITSU KEW SNAP MODEL 2004で、直流20Aまでは分解能10mA、直流200Aまでは分解能100mAで計測できます(計測器ランド秋葉原店から購入)。
リポ、ニッカド、ニッケル水素バッテリーの電圧を測定したり、コネクタケーブルの導通チェックや極性のチェックに使用します。特にフライト後の電圧を見ると、およその残量がわかります。バッテリーコネクタやバランス端子に接続できるようにアダプタを作っておくと便利です。リポの電圧をチェックしたい場合は、分解能10mAで測定可能なものがよいでしょう。筆者はSANWA FD-730Cを使っています(計測器ランド秋葉原店から購入)。
メインローターの回転数を計測します。ラジコン用として販売されているものは屋内では適切に計測できません(蛍光灯の影響を受けたりします)。筆者は屋内でローター回転数を計測するときは、光電プローブタイプの回転計YOKOGAWA TM-300ディジタル回転計を使っています(計測器ランド秋葉原店から購入)。ハイレンジ60〜30000RPMでは分解能1RPM、ローレンジ60〜3000.0RPMでは分解能0.1RPMで測定でき、メモリー、ホールド機能があります。なおこの回転計は測定箇所に反射テープを貼る必要があります。
フライト後のモーター、アンプ、バッテリーの温度を計測します。非接触式とはいえ、なるべく測定対象に近づけた方が正確に計測できるようです。また最大温度や最低温度をメモリーする機能があると便利です。測定対象の表面が金属の反射面の場合は正確に計測できないようですので、モーターによっては注意が必要です。筆者はDURATRAX FLASHPOINTを使っています(Tower Hobbies から購入)。
屋外でのフライトの際、風速を計測します。Kestrellなどプロペラタイプのものは特定の方向の風速を計測するので、スロープソアリングに便利です。他方、カップが水平に回転するタイプは風に正対しなくても計測でき、電動ヘリを平地で飛ばす場合はこのタイプの方が実用的です。筆者は Kaindl Windtronics 2を使っています(Hobby Lobby から購入)。リアルタイムの風速、最大風速、平均風速、風力段階が表示されます。底面には三脚用ネジ穴が付いています。
last updated: 2012.11.10