モデル名 |
Hurricane EP550 |
製造/販売 |
Gaui/ワールドエアモデル |
操縦系統 |
エルロン、エレベーター、ラダー、モーターコントロール、ピッチ |
ローター径 |
1110mm |
機長 |
1060mm |
飛行重量 |
2200g |
動力ユニット |
Zパワー Z20A-980KVアウトランナーブラシレスモーター、ピニオン14T |
RC装置 |
JR DS589サーボ×3(サイクリック) G750T→GyroBot900 JR 8900Gテールサーボ JR R77→Airtronics/ Sanwa 92674S受信機 SportBEC+3S730mAhリポまたは4N1100ニッカドバッテリー |
1.概 要
2.組み立て
3.メカ搭載
4.動力関係
5.フライト
6.スタビレス+GyroBot900
7.SD-10Gスロットルカーブ設定
500〜550mmのローターを使用する電動RCヘリ。サイズ的には30クラスエンジンヘリに近くなります。2段減速ギアを採用しており、初段のギアを換えることにより、13T〜16Tピニオンでも広範囲のモーターに対応できるようになっています。サイクリックコントロールは両引き、テールコントロールは標準的な設計です。
この機体は以前から気になっていて、約1年半前の2007年5月に購入を検討したことがあります。しかし当時はパーツのトラブルの話もあり、EP-8を選びました。今回、エアクラフトさんが輸入販売を開始され、ワールドエアモデルさんが取り扱いを始めたのを機に、2008年11月に購入しました。
なお、ガウイ純正モーターとアンプのセットはクラフトるうむさんも販売されています。
完成度の高いキットで主要部分はほとんど組み立て済み。スタビライザー、メインブレード、テールブレード、スキッド、テールパイプ、水平・垂直尾翼を取り付ければ完成します。キャノピーは窓部分が黒く塗装済みで、シャーシへの取り付け部分も加工済みです。キットには500mm木製ローターが付属します。
なお、テールパイプをシャーシへ取り付けるための4箇所のナットは、M3ナイロンナット薄型(ヒロボー2505-020)に交換しました。
この機体はスタンダードサーボが使用できるようになっています。サイクリックサーボには普及型デジタルのJR DS589を選びました。この機体のサイクリックコントロールには両引きリンケージが採用されていますが、よく見ると、クランクのボール取り付け位置は回転軸中心に対してわずかにオフセットされています。説明書では、テンプレート(約160度)にあわせて円盤形サーボホーンに穴を開けるように指示されていますが、JRのビッグサーボホーンセットに入っている円盤形ホーンの穴位置のオフセット角がほぼ同じなので、そのまま使用することにしました(中心からの距離は2mmほど長くなります)。
リンケージロッドの長さを調整した後、8mmシャフト用のスワッシュプレートレベラーで、スワッシュのニュートラルおよび上下動作の平行度のチェックをします。デジタルサーボはトリムの1コマでもきちんと反応し、ニュートラルに正確にもどるので調整が容易です。
ジャイロはJRの小型ジャイロG750T。薄型で軽量です。テールサーボはスタンダードサイズのDS8900Gです。なお取説によりますと、G750Tに使用できるサーボはDS3500GとDS8900Gのみです。
受信機用電源は動力バッテリーとは別にしました。当初は4.8V700mAhニッケル水素電池(単4エネループ、52g)を使用しましたが、デジタルサーボ4個では消費電流が大きくなるため、電圧降下が心配です。そこで11フライト目からはSportBEC(13g)とサンダーパワー3S730mAhリポ(50g)に変更しました。SportBECは最大電流3.5Aです(入力はリポ3セル以上)。サーボをフルに動作させて消費電流を測定してみたところ、SportBEC→受信機間では最大1.5A流れますが、リポ→SportBEC間では最大でも500〜600mAで、45〜60分は使用できそうです。ただ、冬期は低温のためにリポの性能が低下するので、12月以降は1100mAh受信機用ニッカドを使用しています。
エアクラフトさんやWAMさんは、1500〜1700KVのモーターに4〜6セル、4000〜5000mAhのリポバッテリーの組み合わせを推奨しています。400クラス用の3セル2000〜2200mAhを2個直列では、飛行時間が短くなってしまうようです。HeliFreakのレビューでも、スタントや3Dを行う場合は、最小でも2500mAhと書かれています。
一方、HeliFreakやRC-Groupsの書き込みをあれこれ読んでみると、KV値の低いモーターを使用し、ピニオンの歯数を下げて回転を1600〜1700RPMぐらいに抑えて低消費電流で飛ばせば、3セル2200mAhパック2個直列でも5〜6分のホバリングと上空飛行ぐらいはなんとかできそうです。そこでモーターはZパワー(Tonic X)Z20A-980KV、ピニオン14Tでトライしてみることにしました。アンプは、EP-8にも使用しているフェニックス60です。
2008年11月中旬、初フライトしました。当日は気温12〜13℃、北風、平均風速4m/s、瞬間最大6m/sです。念のため、長さ90cmのヒノキ棒2本をX字に組み、簡易アメンボとしてスキッドに結束バンドで取り付けます。
離陸エリアに機体を置き、送信機オン、モデルネーム、スロットルホールド、フライモード、タイマーを確認します。次に受信機電源オン。ジャイロがチッと動きます。いよいよバッテリーを接続します。コントローラーが「ピロロロ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピロロロ、ピロロロ」と鳴って6セルを認識したことを知らせてくれます。
送信機を持ち、機体後方に立ちます。風があるので、ちょっと緊張します。深呼吸してからタイマーをオン、スロットルホールドをオフにします。ローターが回転を始めます。フェニックス60のガバナーは、メディアム設定でもスプールアップがかなりゆっくりです。ローター回転音が一定になったところでピッチを上げていきます。機体はスティック位置50%より少し上で浮上しました。
エルロン、エレベーターのトリムはまったく問題ありません。スワッシュプレートレベラーで調整した成果でしょう。アイレベルまで上げてみると、ブレードのトラッキングが1〜2cmずれています。いったん着陸させ、下側のローターのリンケージロッドを1回転伸ばします。再び浮上。トラッキングはほぼ合ったようです。ラダーを打つと、かなり反応が速く、効き過ぎの感じです。いったん着陸させ、送信機のデュアルレートを減らします。再び浮上。ラダーが少しマイルドになりました。
風があるので、サイクリックとピッチは細かく操作する必要がありますが、ラダーは安定しているので、あまり舵を打つ必要はありません。予想したとおり、非常に安定しています。
5分で着陸。初フライトは無事終了しました。
この日は、ホバのみ、計4フライトしました。当初ローター回転数は1900RPMでしたが、1800RPMまで下げました。着陸直後のバッテリーの電圧はセルあたり3.67V前後です。
関連ページ:CCフェニックスのガバナー設定
2008年11月中旬、通算9フライト目にローター回転数を1600RPMまで下げてホバしてみました。1800RPMに比べて操縦性、安定性はほとんど変わりません。テールが抑えきれるか心配でしたが、これも問題ありません。4〜5m/sの風の中でも安定してホバできます。Outrage XP3S2200mAh(25C)の2パック直列(374g)で5分ホバしました。着陸直後の電圧はセル当たり3.78〜3.80Vですので、まだ余裕があります。
その後、以下のパックを使用してみました。結論としては、筆者の機体で3Sパックを2本直列で使用してホバと上空飛行を行う場合、2500〜3000mAhパックが重量とフライト時間のバランスがよさそうです。
3700mAhパックではかなりノーズヘビーになるためテールに40g程度の板鉛を取り付ける必要があり、ホバに要するパワーが増加するため容量増加分が相殺されてしまいます。
ブランド
|
タイプ/セル数
|
容量
mAh |
重量*1
(2パック) |
ホバ時間*2
|
Outrage | XP25/3S |
2200
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374g
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5〜6分
|
Outrage | XP25/3S |
2500
|
412g
|
6〜7分
|
ThunderPower | eXtreme V2/ 3S |
2600
|
446g
|
6〜7分
|
Outrage | XP25/3S |
3000
|
476g
|
7〜8分
|
Hyperion | LVX/3S |
3700
|
615g
|
8〜9分
|
400ヘリから移行する場合、最初は手持ちの3S2000〜2200パックを使用して機体に慣れ、その後は3S2500〜3000パック2本あるいは6S2500〜3000パック1本を使用するとよいと思います。ただし、この機体は2パックをフレームの上下に搭載するように設計されているため、6セルパックを搭載するとキャノピーにあたる可能性があります。
2009年12月中旬、GAUIのスタビレスヘッドに換装し、3軸ジャイロGyroBot900を搭載しました。GyroBot900の設定は「Flybarless / Beginnermode」としてアイレベルでテストホバしてみました。安定性は、スタビ仕様のときと変わりません。テールの押さえも問題なく、G750Tのときよりも安定していると感じられるほどです。また、受信機をAirtronics/Sanwa 92674(2.4GHz)に換えました。
2009年12月下旬、メインローターブレードを500mmカーボンに、またキャノピーをグラスキャノピーに換装しました。ホバリング調整中ですが、エルロン方向に舵を打つと流れるので、GyroBot900のSwash tuning > Aileron Pをデフォルトの400から450に上げました。また、わずかにテールが縦揺れ(ミソスリ)します。GyroBotのSwash tuning > Elevator Pをデフォルトの250から180まで下げてみましたが、改善されません。ジャイロの問題ではなく、機体の問題のようです。WAMさんに相談したところ、ローター回転数を上げてみては、というアドバイスをいただきましたので、次回、試してみたいと思います。ヘッドのダンパーゴムにグリスを塗布しました。
2009年12月末、S田さんにテストしていただき、以下の調整をしました。
(1)ローター回転数を1800RPMに上げる。
(2)ラダーのジャイロ感度を上げる。
(3)エレベーターのEXPOを大きくする(ニュートラル付近をマイルドに)。
(4)最大ピッチを8度から10度に上げる。
これにより、テールの縦揺れ(ミソスリ)は、ほぼなくなりました。現在のジャイロの設定は以下のようになっていますが、まだ調整中です。
モデル: | ハリケーン EP550 スタビレス |
フライング・スタイル | ホバリング・上空飛行 |
スワッシュ・サーボ | JR DS589×3 |
テール・サーボ | JR DS8900G |
メインローターブレード | GAUI カーボン500mm |
テールローターブレード | 純正樹脂製85mm |
Rudder P: | 600 |
Rudder I: | 500 |
Elevator P: | 250 |
Elevator I: | 450 |
Aileron P: | 250 |
Aileron I: | 450 |
送信機EPV:エルロン | +/-50% |
送信機EPV:エレベーター | +/-50% |
送信機EPV:ラダー | +/-40% |
送信機EXPO:エルロン | 60%(センター付近マイルド) |
送信機EXPO:エレベーター | 60%(センター付近マイルド) |
送信機EXPO:ラダー | 50%(センター付近マイルド) |
Beginner Angle: | 20 |
Beginner Gain | 380 |
Beginner Override | 50 |
Flybar | Without |
Mode | Beginner |
設定値 (%)
|
出力値 (%)
|
ローター回転数 (RPM)
|
−50
|
25
|
1545
|
−40
|
30
|
1630
|
−30
|
35
|
1745
|
−20
|
40
|
1853
|
・ワールドエアモデル
ハリケーン550キット、GyroBot900を扱っています。
・Gaui Hurricane 550 EP Helicopter
アメリカのラジコンヘリ掲示板HeliFreakのハリケーン550のフォーラム。多数のスレッドがあります。
・Discussion - Hurricane 550 is here, cheap, light and flies just awsome!
2006年12月に始まったRC-Groupsのハリケーン550に関するスレッドです。
・Hurricane 550 headspeed calculator
ハリケーン550は2段減速ギア方式なので、ギア比の計算が面倒です。このページでは、バッテリー電圧、ギア、モーターKV値を選択・入力するとローター回転数の目安が得られ、バッテリー、モーター、ピニオンの選定に役立てることができます。
2009.12.30