モデル名 |
EP-8v2 SP |
製造/販売 |
クイック |
操縦系統 |
エルロン、エレベーター、ラダー、モーターコントロール、ピッチ |
ローター径 |
895mm |
機長 |
795mm |
飛行重量 |
1535g |
動力ユニット |
Hyperion Z3019-10アウトランナーブラシレスモーター、ピニオン23T |
RC装置 |
JR DS362サーボ×3(エルロン、エレベーター、ピッチ) |
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金属パーツを主体とした組み立てキットです。キットには木製メインローター、透明(未塗装)のポリカーボネート製ボディ、すべてのリンケージパーツ、サーボ取り付けビスが付属しています。各パーツは透明パックに仕分けされ、わかりやすくなっています。
2007年5月、400クラスよりも大きいヘリを飛ばしてみたくなり、しばらくネットで調べてみました。ロゴ10、スウィフトは機体もバッテリーも高価になるため却下。ハリケーン550は400クラス用の3セル2000パックを2個直列で使うので魅力的でしたが、パーツの強度に不安があるので今回はパス。
最終的に国産のEP-8、スーパーボイジャーE、レプトンEXが候補に残りました。この3機種の中ではEP-8がもっとも小型軽量で、主要パーツが金属製でありながら価格はリーズナブル(キット定価20,000円)、パーツ価格もリーズナブルです。EP-8にはSP、LP、EX、LXの4バージョンがありますが、筆者は今のところなんとか上空飛行ができるレベルですので、ワールドエアモデルさんのアドバイスからベーシックなSPに決めました。モーター、アンプ、サーボ、ジャイロはWAMさんの推薦です。2007年5月末に購入しました。なお、このときパスしたハリケーン550は、1年半後、2008年11月に購入することになります。
T-Rex 450XLを組み立てた経験が役に立ったのか、この機体の組み立ては容易に感じました。サイズが大きいこともあると思います。ほとんどが金属パーツなので、ボルトにはネジロックを塗布して締め付けます。
このキットのフレームはミニサーボ仕様です。DS362はそのまま取り付けることができ、サーボホーン、ロッドの位置関係はまったく問題ありません。ただしCCPMの場合、3つのスワッシュサーボの位置関係とニュートラル位置が適切でないとサイクリックコントロールとピッチコントロールが正常に行われませんので、他のタイプのサーボを取り付けるときには注意が必要です。
今回使用するテールサーボは標準サイズなので、アルミフレームの穴を機首方向に長くする必要がありました。ルーターで仕上がり寸法よりも小さめにアルミを切り取り、あとはヤスリで仕上げました。アルミなので加工は容易です。
説明書にしたがって順調に組み立てていきましたが、スタビバーの取り付けに手間取ってしまいました。スタビバーがシーソーを貫通しないのです。シーソーに取り付けたピボットL6のネジ先端がシーソーの内側にごくわずか突出しており、スタビバーに干渉していたのが原因ですが、スタビバーが多少入るのでなかなか気づきませんでした。ピボットL6を0.3mmのワッシャを介して取り付けることでスタビバーが通りました。
■ボディの塗装
ボディは内側からポリカ用スプレーで塗装しました。まず内側のキャノピー部分以外をテープと紙でマスキングして黒スプレーでキャノピー部分を塗り、次にマスキングを外して蛍光黄色で残りの部分を塗装しました。塗装はきれいにできたのですが、上下をエポキシで接着したところ、接合部の色が変わってしまいました(蛍光黄色は隠蔽力が弱いため)。この部分を隠すため、外側に京商の黄色フィルム(Dフレックスカラーデカールイエロー96701Y)を貼りました。
黄色と黒の配色は好みが分かれるところですが、視認性を重視してこの配色としました。グライダーの場合、白よりも黄色の方が視認性がよく、主翼下面を濃い赤や黒にして強いコントラストを持たせると遠くに離したりサーマルで高く上げても姿勢がわかりやすくなります。ヘリは特に側面から見たとき、左右の傾きが把握しにくいのですが、キャノピー部を濃い色にしてコントラストを強くすると、姿勢が把握しやすくなります。ただし逆光時にはボディ全体がシルエットになってしまうので、注意が必要です。
3.1. アンプとジャイロの設定・調整
2007年9月下旬、初飛行を行いました。トラッキングを確認し、ローター回転数を1900RPM(ガバナー)にしてホバしてみたところ、エルロン、エレベーターはトリムの必要がありませんでしたが、テールが大きくハンチングを起こします。ジャイロのゲインを30%まで下げても大きくテールを振ります。そしてホバ開始後、約2分でモーターがカットしてしまいました。幸い、草地でローター高度1mぐらいでホバしていたため、ダメージはありませんでした。
このときアンプが50度以上発熱していたため、BECを解除し(受信機へのコネクタのプラス線を外します)、4セル500mAhのニッカドを搭載してホバしたところ、モーターカットはなくなりました。このサイズになると受信機用ニッカドの重量増(70g)も相対的にそれほど大きなものではなくなります。また回転数はやや高めの感じがしたので1800RPMに下げました。
数日後、まずジャイロのAVCS(ヘッディングロック)をオフにしてホバしてみました。かなり強いラダーの右癖があります。テールコントロールロッドの前後のアジャスタを目一杯長くし、わずかに左トリムとしてなんとかニュートラルが出ました。そこでAVCSをオンにしたところ、ハンチングは収まり、ゲインも50%まで上げることができました。この日はバッテリー3パック目には上空飛行もしてみました。ピッチ操作に対するガバナーの追従性は良好に感じました。1800RPMでも通常の飛行では充分な上昇力が得られます。
400クラスに比べると非常に安定していて、操縦しやすい機体です。4〜5m/sの風でもまったく問題なく、離着陸時に不安定になることもありません。大きさは、感覚的には400ヘリの倍ぐらいに感じます。EP-8をフライトした後、MX400をフライトしてみましたが、かなり小さく軽く、舵の効きが敏感に感じられました。
3.2. モーターカットのトラブル
2007年9月下旬、累計11パック目のフライトで、SportBEC (Dimension Engineering)を使ってみました。SportBECはバッテリーのバランスコネクタに接続し、メインギアの下にマジックテープで固定しました。アイレベルでホバしてみたところ問題ないので、上空飛行に移り、高度5〜7mで左右100mを往復飛行させて飛ばしていたところ、約2分後に突然ローター回転数が低下し、そのまま直進降下しました。比較的高度は低く、ほぼ水平に草地に落ちたのですが、それでもスピンドルシャフトが曲がり、テールフィンが折れ、左ランディングスキッドがかなり変形、右ランディングスキッドもわずかに変形しました。
スピンドルシャフトとテールフィンはその日の内に秋葉原チャンプで調達して新品に交換、ランディングスキッドは在庫切れで入手できなかったため、とりあえず万力にはさんで復元しました(数日後、左右とも新品をクイックさんから送って頂いて交換しました)。
受信機がフェイルセーフに入った感じですが、アンプの過電流カットの可能性もあります。試しに室内でヘリを固定してローターを回してみましたが、8分回してもモーターは停止しませんでした。原因は判然としません。SportBECの搭載位置を変えたり、ノイズフィルターを加えたり対策すれば使えるのかも知れませんが、飛行させてみないと正常に動作するかどうかわからない、というのでは危険で不安ですので、安全のため、やはり受信機別電源でフライトすることにしました。
しかしその後10月中旬、累計27フライト目と32フライト目に外部電源でもカットが起こりました。いずれもアイレベル以下でホバリング中だったので、ヘリはすとんと落ち、草地だったためスキッドがわずかに変形しただけですみましたが、これでは不安で上空飛行ができません。32フライト目は、初めからややパワー不足の感じがしました。もしかするとバッテリーとアンプのコネクターの接触不良かも知れません。以後、飛行前にコネクタを2〜3回抜き差しし、接触を確実にするようにしました。
またアンプと受信機の間にノイズフィルターを取り付けました。これは以前に大型グライダーのエルロン延長コードに使っていたものです。リングコアにサーボリード線を6回巻き付けただけのものですが、類似のものがKontronikのJazz 40-8-16にも付いているので、多少効果があるのではないかと思います。
その後36フライトしましたがカットは起こっていません。もしかすると上述の11フライト目のカットも外部BECが原因ではなく、アンプからのノイズが受信機に回ったことによるのかもしれません。
【後日談】
2008年11月下旬、久しぶりにフライトの準備をしているときに、4mmゴールドコネクターのオス側のふくらんでいる部分が回転することに気がつきました。ここは圧着されていなければ接触抵抗が大きくなるはずです。専用のカシメ用具がないので、次善の策として、すべてのオス側コネクタの先端部分にごくわずかにハンダを流しました(流しすぎるとメス側に入らなくなるので注意が必要です)。上述のモーターカットのトラブルは、このコネクタの接触不良によるものだったかもしれません。
また、受信機用電源をSportBEC(13g)とサンダーパワー3S730mAhリポバッテリー(50g)に変更しました。
3.3. 3セル2000mAhを2パック並列接続
累計24フライト目に、400ヘリで使用しているThunder Power Pro Lite 3S2100mAhパックを自作ケーブルで2個並列にしてホバリングしてみました(3S2P4200mAh相当)。重量はHyperion LVX 3S3700パックの312g(コネクタ込み)に対して316g(コネクタ、二股ケーブル込み)とほぼ同じなので、重心位置もほとんど変わりません。
コネクタ接点が6箇所に増え、ケーブルも長くなるのでロスは増えているはずですが、パワー低下は感じられず、3S3700パックと同じ感覚でホバできました。ホバリング時間は安全を見て9分としましたが、フライト後のパック電圧からすると10分は安全域のようです。
3.4. 秋〜冬のフライト
2007年10月初旬、曇りの午前中、気温は20〜21℃です。フライト後のバッテリー電圧をチェックしながらホバと上空旋回飛行を4フライトしました。飛行時間(地上でのモーター起動時間約30秒を含む)を8分、8分30秒、9分と伸ばしていきましたが、9分30秒飛行して着陸直後の電圧が11.20Vでした。余裕を見て、しばらくは送信機タイマーを9分にセットすることにしました。なお8分30秒フライト直後のモーター側面の温度は54℃、アンプ40℃、バッテリー34℃でした。
2007年11月中旬、午前中は河川敷の外気温がだいぶ低くなり、9〜10℃です。ホバリングしてみると、以前よりもちょっとパワーが低い感じです。2フライト目にはスロットルカーブを30%から32.5%(ガバナー横一直線)にしてみたところ、以前のパワーにもどった感じです。また3〜4フライト目には、フライト前にバッテリーをジャケットの内ポケットに入れ30分ほど温めてフライトしてみたところ、少し元気がよくなった感じです。冬場はフライト後のモーターがすぐ冷えるのはよいのですが、リポはあまり低温状態で使用しない方がよさそうです。
・クイック
知る人ぞ知るラジコンヘリのメーカー。パーツ類は通販で入手できます。
・エアクラフト
ハイペリオンのモーター、バッテリーを扱っています。
last updated: 2008.11.25