ブレードmSR
Blade mSR

１．概　要

　シングル・ローター固定ピッチのマイクロヘリ。完成機フルセットです。２個のリポバッテリー、AC/DC対応充電器（４個のバッテリーを同時充電可）、スペアパーツ（スタビライザー、テールローター、リンケージロッドなど）、調整用ドライバーが付属します。

　シングル・ローターヘリとしては非常に安定していますので、ナインイーグル・ソロなど同軸二重反転機からのステップアップに最適と思います。

　キット付属のプロポ（送信機）はあまり操作性がよいとはいえません。JRのモジュール式プロポ（PCM9X II、11X ZEROなど）をお持ちの場合は、TD2.4LPモジュールを使用して本機をフライトできます。スティックフィーリングがよく、さらにデュアルレート、スロットルカーブ、タイマーが使えるので操作性が格段に向上します。特に11X ZEROでは、エンコンスティックでタイマーをオンオフできるので、フライト時間の管理が簡単確実になります。

・TD2.4LP DSM2 2.4GHzインドア用ローパワーモジュール

【追記１】
　2011年12月、アメリカでは本機の改良バージョン、Blade mSR Xが発売されました。3軸ジャイロを搭載したスタビレス機となっています。2012年７月には、JRさんから国内販売されました。

【追記２】
　2017年１月、アメリカでは mSR X の改良バージョン、Blade mSR Sが発売されました。3軸ジャイロを搭載し、自動安定システムAS-3Xを採用したスタビレス機となっています。

２．フライト

２．フライト

　箱から出してそのままホバできました。上掲の動画は、２フライト目のものです。シングルローターとしては自律安定性が高く、ホバリング安定性は同軸反転機に近いといえます。ただし、シングルローターのため、メインローター回転面がやや右に傾いた状態でホバします。

　小さなヘリはホバリングに必要なパワーが小さく、メインローターの発生する揚力が小さくて済みます。このため、ホバリング中の吹き下ろし風も少なくなり、壁や家具からの風の反射も小さくなり、より狭い室内でのホバと移動が容易になります。日本の住宅の一般的なリビングでも、ホバリングが可能です。

　またローターを回転させたまま転倒させたり、家具にぶつけたり、墜落させたりしても、重いヘリよりもはるかに壊れにくくなっています。もちろん、壊れにくいとはいえ程度問題で、壊れるときは壊れますので、クラッシュは避けるべきですが、この点でも軽量であることが大きなアドバンテージとなっています。

　反面、このクラスのヘリは風の影響を受けやすくなります。室内では空調の影響を受けますし、屋外ではほんのわずかな風でも流されてしまいます。

　自律安定性が高い反面、舵の反応は鈍く、エレベーターダウンで前傾させて機速を速めて前進飛行をさせようとすると、まっすぐに飛ばず、操縦しにくくなります。どうも舵が混ざる感じです。アメリカではミキシング可能なDX-6iなどを使って飛ばしている人もいるので、JR 11X ZEROなどを使えば飛ばしやすくなると思います。

　筆者は、本機は室内で、ホバを中心に、低速で飛ばす機体と考えています。対面ホバ、側面ホバの練習にも向いています。この機体に慣れてきたら（飽きてきたら）、SRBクオーク、クオークSGでの屋外フライトあるいは体育館フライトに進むとよいと思います。インドア限定なら、可変ピッチのブレードmCP Xもよいでしょう。Mini CP、New V120D02S（Walkera）も、非常に安定していますが、走り出すと加速する性質があり、難易度はやや高くなります。

３．調整

　メインブレードのトラッキングは出荷状態でほぼ合っているため、ほとんど調整の必要はありませんが、メインブレード取り付けネジが硬めだったり、締め付け具合に差があるとミソスリを起こすことがあります。この場合はメインブレード取り付けネジを調節して２枚のブレードが均等に軽く動くようにすると改善されます。また、クラッシュ後にミソスリを起こすようになった場合は、ブレードグリップの横に差し込まれている銀色のビスが緩んでいることがあり、このビスを締めるとミソスリが無くなることがあります。

４．メインブレード、テールブレードの交換

　ブレードの交換や分解方法についてのYouTubeムービーがいくつかありますので、ご紹介します。

・メインローターとテールローターの交換

・テールブームとメインモーターの交換

・メインシャフトの交換とスワッシュのキャリブレート

・スワッシュプレートのセッティング