モデル名 |
Angela |
製造会社/販売会社 |
RCRCM |
構 造 |
グラス・シャーレ主翼、カーボン補強グラス胴 |
操縦系統 |
エルロン、エレベーター |
翼 幅 (mm) |
2000 |
翼面積 (dm2) |
35 |
飛行重量 (g) |
1318 |
RC装置 |
KST DS125MGサーボ ×4(エルロン、フラップ) |
無尾翼スロープグライダー。エレボン、フラップ、ラダー装備で、着陸時にはバタフライ(クロウ)が使用できます。
・仮組み。マーキングもされており、完成度の高いキットです。(画像をクリックすると拡大されます)
実質的にはメカ積みで完成しますが、エルロン、フラップ・サーボの搭載には結構、手間がかかります。
・エルロン・サーボの搭載。ヒンジラインに対してロッドが直角になるようにサーボを取り付けました。カバーに対してロッドがわずかにずれますが、干渉はしません。
・胴体側面に樹脂パイプを斜めに接着し、アンテナを通すようにしました。正方形の基盤は機体発見ブザーです。
・エルロンのニュートラルは翼端側で2mmアップとしました。
・エルロン(右)とフラップ(左)を揃えます。
・フラップのニュートラル。
・重心位置(前縁から65mm)に1mm径ドリルで穴を開け、テグスを通して重心をチェックします。無尾翼機は重心位置がシビアで、1mm動いただけでも挙動が変化します。キャノピー下の小さな穴の内側に機体発見ブザーを取り付けています。
・舵角設定
フラッペロンのエルロン動作:エルロンのみ、上下各10mm(翼端側)
フラッペロンのエレベーター動作:エルロンとフラップ連動、上下各8mm(翼端側)
ラダー:左右各25mm(下端で測定)
バタフライ:エルロン 8mmアップ(翼端側)、フラップ25mmダウン(胴体側)
エルロンに30%、エレベーターに35%のEXPOをかけて、ニュートラル付近の効きをマイルドにしています。
2016年9月中旬、秩父のスロープサイトで初フライトを行いました。当日は風が3〜4m/sとあまり強くなく、本機にはギリギリでしたが、なんとかフライトできました。翼端失速が怖かったので、エルロン、エレベーター操作は最小限にしました。意外にもラダーはよく効きます。テールモーメントが短く、ラダー面積も小さいため、ほとんど効かないのではないかと思っていましたが、予想以上に効き、主翼に上反角が付いているため、ラダーだけでも緩旋回ができました。
無尾翼機でのバタフライは初めてなので、念のため、高度をとって上空でテストしてみました。どういう挙動になるのか予測できずに緊張しましたが、効きはマイルドで適度な角度で降下してくれました。
2016年9月下旬、ホームグラウンドの笹山でフライトしました。1回目は弱風で、旋回時にうっかりエルロンを大きく操作してたところ、翼端失速に入り、林に落ちましたが、ほぼ無傷で回収。その後、風が出てきたので再フライトしました。風さえあれば、無尾翼にありがちな不安定さがなく、操縦性は素直で、軽快にフライトします(このページトップの動画はこのフライトです)。どこか翼竜を思わせるシルエットが気に入りました。
無尾翼機は、水平尾翼がある機体に比べて調整とフライトにシビアな面があります。筆者のこれまでの経験から、以下の点に注意すると良いと思います。
(1)重心位置は正確に
上述のように、無尾翼機は重心位置がシビアですので、正確に測定、設定します。最初は前重心、エルロン/フラップの跳ね上げを大きめにして飛ばすのが安全です。
(2)大舵を打たない
無尾翼機は舵も敏感で、特にエレベーターはシビアです。便宜上、エレベーターと呼んでいますが、無尾翼機にはエレベーターはありません。そのかわりに、主翼後半のカンバーを変化させて風圧中心を移動させ、ピッチ方向の姿勢を制御します。このため、水平尾翼のある機体のような大きなエレベーター操作は危険です。旋回時にアップを引きすぎたり、低速時に大きくダウンを打つと、翼端失速を起こすことがあります。筆者はエレベーターに35%のエクスポをかけていますが、さらに、スティック操作は最小限にするように注意しています。なお、翼端失速を防ぐために、エルロンの跳ね上げをフラップの跳ね上げよりも大きくする方法があります。こうするとねじり下げ効果が得られ、失速しにくくなります。ただ、ねじり下げを強くすると滑空性能は悪くなります。
(3)中風以上で飛ばす
無尾翼機は弱風時には不安定になりがちです。アンジェラは翼面積が35dm2ありますが、翼の後半は反転カンバーのために下向きの揚力を出して安定を保っているので、実際に上向きの揚力を発生している面積は小さくなります。筆者の機体は1318gで、翼面積を35dm2とすれば翼面荷重は37.7g/dm2となりますが、実際の翼面荷重もっと大きいことになります。ですから、同じサイズ、重さの通常形式のグライダーよりも速度を高めてフライトする必要があります。慣れるまでは、風速がコンスタントに5m/s以上の時にフライトすることをお薦めします。
last modified: 2019.4.23