東京コレギウム刊 ¥3,150(税込)
ISBN4-924541-05-2
チェンバロの保守と調整に関して、著者によるイラストを用いてわかりやすく解説しています。
野村満男
我が国では音楽家・愛好家個人が、いわゆる重構造のモダンチェンバロを入手する時代がこないまま今日に至りました。そして、伝統的な構造や製作技法によるヒストリカルな楽器が、今はかなり普及しています。
そのように、伝統的技法による我が国のチェンバロ製作の研究が、世界的な古楽器復元の動きから遅れをとることなく連動してスタートできたことは、他の工業製品分野のテクノロジーの現況に似て、とてもラッキーであったと思います。今後は、楽器としての優れた「音色・音質獲得」を目指して、製作家の方々が確信を持てるように一層前進して頂きたいと願っています。
本書著者の久保田彰氏は、我が国の代表的な製作家の一人として、この進歩著しい時代にあって着々と研究を重ね、常に評価の高い楽器を製作されています。その豊かな経験からにじみ出るノウハウを具体的に著されたものが本書です。
拙著、『チェンバロの保守と調律』、『同補遺篇Q&A』(東京コレギウム刊1975/87 1986)は、概説的ではありますが、専門技術者の立場では特に、いまひとつ詳しく、という声も聞かれていましたので、それを補完する内容の本書が、同じ出版社から出されるはこびとなりましたことは同慶の至りです。特に、美術系の基礎を学ばれた著者自筆のイラストは、的確な表現がなされ素晴らしいものです。
専門家、オーナーともに御活用項きたいと思います。
お問い合わせ、ご注文は下記フォームから:
・本・CD・DVD お問い合わせ・ご注文