筆者は楽器の個性や音楽の細部を聴き取りたいときには以下のヘッドフォンシステムで聴くようにしています。ラウド・スピーカーのシステムでは音の細部を判断できるほどの再生は不可能だからです。
以下の機器で聴けばCDの録音状態の差がよくわかります。たとえばチェンバロやオルガンの個々の微妙な音質差もかなりの程度まで再現できます。
なお、ダイナミック型ヘッドフォンはアンプやCDプレーヤーのヘッドフォンジャックに接続して聴くことができますが、ヘッドフォン用の増幅回路が貧弱で音質がよくないケースが多いようです。音質を求めるなら、ヘッドフォンアンプの使用をお薦めします。
●STAX SR-L700 MK2
コンデンサー型イヤースピーカー(ヘッドフォン)。CDプレーヤーからの信号を、欠落なく、また色づけなくそのまま伝えているように感じられます。解像度、細部の再現性は驚異的。高音はあくまですなおに伸び、低音はきちんと制動されて歪みが感じられません。オーケストラ、室内楽、チェンバロ、クラヴィコード、フォルテピアノ、オルガンの個々の楽器の微妙な差を聴きわけることができます。特によい録音であれば三管編成フル・オーケストラのフォルティッシモでも音が混濁せず、弦と管がかなりの程度まで識別可能です。このような特質は、STAXのすべてのコンデンサー型イヤースピーカーに共通しているので、よいヘッドフォンを求めるなら、予算に応じた価格帯のSTAX製品を選ぶことをお薦めします。なお、SR-L700 MK2は、音質的にはかつてのフラグシップモデルSR-007とほとんど差がなく、装着感の点から、筆者はこちらをメインにしています。
なお、STAX製品は購入直後の新品の状態ではまだ本来の性能を発揮していないことがあります。メーカーでは、出荷前に「ならし」をしているとのことですが、筆者の経験では、96時間連続再生してやっと本調子になったこともあります。特に冬場は時間がかかります。
●AKG K501
ダイナミック型ヘッドフォン。オープンエア型。ダイナミック型としては高解像度で繊細な音を聴かせてくれます。重量約235gとこのクラスにしては軽量で、耳たぶを圧迫しないデザインのため、よい装着感が得られます。STAX以外ではまず第一にAKGのモデルをお薦めします。ゼンハイザーもよいのですが、AKGの方がコストパフォーマンスがよいと思います。
【以前使っていたヘッドフォン/イヤースピーカー】
●STAX SRM-727A
スタックスのコンデンサー型イヤースピーカー専用ドライバーユニット(専用アンプ)。SR-L700 MK2、SR-007を接続します。
●STAX SRM-313
スタックスのコンデンサー型イヤースピーカー専用ドライバーユニット(専用アンプ)。SR-L700 MK2を接続します。現在はデスクトップPCで使用。
●DENON DA-310USB
ヘッドフォンアンプとしても使えるDAC。DVD、Blu-rayディスクのデジタル音声やハイレゾ音源を再生するために使用。AKG K501を接続します。
●47研究所 model 4735 MK II "Midnight Blue"
トレーを持たず、回転軸に直接ディスクを載せるユニークなデザインのCDプレーヤー。ディスクの回転する様子が見えます。STAXのイヤースピーカーのために使用していますが、SRM-727Aのパラレル出力を4717アンプに入力し、スピーカーを鳴らすこともできるようにしています。
・STAX
スタックスの公式ページ。
2023.11.11
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