モデル名 |
Blade 130X |
販売 |
E-flite/ Horizon Hobby |
操縦系統 |
エルロン、エレベーター、ラダー、ピッチ/モーターコントロール |
ローター径 |
325mm |
機長 |
305mm |
飛行重量 |
107g |
動力ユニット |
インランナー・ブラシレスモーター |
RC装置 |
3 in 1ユニット(AS3Xフライバーレスシステム、2.4GHz DSM2) |
シングル・ローター可変ピッチのマイクロヘリ。3軸ジャイロ搭載で、スタビレスです。先に発売されていたBlade mCP Xよりも、ひとまわり大きいサイズです。BNFキットには、リポバッテリー、DC充電器、スペアパーツ(メインローター、テールローター、リンケージロッドなど)、調整用ドライバーが付属します。
本機はDSM2/DSMX対応で、JRのモジュール式プロポ(PCM9X II、11X ZEROなど)に、TD2.4LPモジュールを取り付けることでフライトできます。
・TD2.4LP DSM2 2.4GHzインドア用ローパワーモジュール
純正のバッテリーは3ピンで、専用のバランス充電器に対応していますが、筆者は手持ちのバッテリーを使うため、受信機側コネクタをBECコネクタに交換しました。
以下の動画は、2013年元旦午前中にフライトしたときのもので、minokasagoさんに撮影していただきました(YouTubeの日付はアメリカ時間なので、2012年12月31日になっています)。オプションのイエロー・メインローター、テールローターを付け、ギアは後述のAEO-130X02に換装しています(その他は純正状態です)。
筆者は、この機体を2012年7月にA Main Hobbiesから購入し、フライトしてきました。視認性がよく、屋外フライトが容易で、安定してホバし、上空飛行もクセがなく、フリップ、背面ホバも可能です。また、万が一、墜落させても、草地なら無傷のこともあります。しかし、この機体は、設計上・材質上の問題をいくつか抱えています。
2.1. ベベルギア欠け
この機体は、メインシャフトからベベルギアを介してトルクチューブを駆動し、テール側もベベルギアでテールシャフトを駆動します。このうち、メインシャフトに付いているベベルギアの歯が、23フライト目に欠けました。オプションで金属製のギアが出ているので、こちらに換装しました。しかし、この金属ギアはエレベーターサーボとのクリアランスがぎりぎりで、接触する場合もあり、またギアの噛み合わせがきつくなります。
また、トルクチューブの両端はDカットされていて、ベベルギアのD型のセンターホールにはまるようになっているのですが、クラッシュすると、テール側の樹脂製ベベルギアのセンターホールがなめてしまいます。このベベルギアは予備が必要です。トルクチューブのメインギア側(前方)に取りつくベベルギアは金属製なので、なめることはありません。
2.2. 振動
最初は順調にフライトしていましたが、ある時期から、特定の回転数のときに機体全体がブルブル震える現象が出てきました。バンク旋回時に出ることもあります。これは、この機体の特有の問題で、解決策はないようです。樹脂製メインフレームの剛性が不足しているのではないかと思います。
2.3. リニアサーボ
この機体は、スワッシュサーボ、テールサーボともに専用のリニアサーボを使用しています。これらのサーボはケースに入っておらず、ギアやモーター、基板がむき出しで、ゴミや水分に対して無防備です。また、スペアサーボの供給体制が整っておらず、なかなか入手できません。筆者の場合、10月中旬、72フライトでエレベーターサーボが壊れたので、スペアを探しましたが、海外も含めて、どこのショップも在庫切れが続き、12月中旬にようやく香港のMiracle Martから入手できました。しかし、その後も、散発的に入荷するものの、在庫切れの状態が長く続いています(2013年4月現在)。
これまでに、以下のパーツに交換しました。
・フロントのベベルギア
メインシャフト側の2個のベベルギアを金属製にすると、どうも噛み合わせがきつく、抵抗が大きい感じがします。Miracle Martのサイトで白色樹脂製のベベルギアセットを見つけたので、交換してみました。こちらは軽くなめらかに回ります。ただ、クラッシュするとギア欠けを起こしそうです。
・Miracle Mart: 130X Gear Pack (AEO-130X02)
・テールサーボ
純正のテールサーボを、E-Flite DS35に交換するとよい、という記事をHeliFreakで見つけました。DS35はケース入りの通常タイプのデジタルサーボで、重量は3.5gです。しばらくすると、Microheliから、DS35用のマウント(MH-130X021)も発売されましたので、入手して取り付けてみました。DS35のコネクタのピン配列と、130Xの受信ユニットのピン配列が異るので注意が必要です。純正テールサーボのケーブルを切断してDS35にハンダ付けするときは、ケーブルの色を揃えます。つまり、オレンジ=オレンジ、赤=赤、茶=茶とします。赤と茶を間違えると、サーボを焼損します。
変換ケーブル付きのマウント(MH-130X021C)もあり、こちらはハンダ付け不要でポン付けできます。
・HeliFreakのスレッド:DS35 Servo Install a success and RECOMMENDED THAT YOU DO THIS!
・Miracle Mart: DS35
・Microheli: Aluminum DS35 Tail Servo Mount w/ Cable
・スワッシュプレート
純正スワッシュは樹脂製で、やや強度不足の感じがします。そこで、Microheliのチタン・スワッシュプレートに交換しました。純正のアンチローテーションガイドを使用するタイプ(MH-130X012)と、カーボン製のアンチローテーションガイドが付属するタイプ(MH-130X012X)がありますが、筆者は後者を購入しました。純正のアンチローテーションガイドは右側面に位置しますが、MH-130X012Xのアンチローテーションガイドはフレーム中央に位置します(キャノピーマウントのカーボンロッドを利用して、スワッシュの後方、フレーム中央に取り付けるようになっています)。
・Microheli: Titanium Swashplate w/ Anti-Rotation Guide combo
・テールグリップ・テールケース
これまで、2回、アイドルアップでフライト中にテールグリップが破損しました。純正テールグリップは強度的に不安があります。Microheliのテールセットに交換しました。
・Microheli: CNC Blade 130 X Tail Power package - BLADE 130X
・モーターヒートシンク
本機のモーターはインランナータイプで、フライト後はかなり発熱します。Lynxから発売されているヒートシンクを取り付けました。
・Lynx: 130 X - Motor Heat Sinks
これらのアップグレードを行った結果、離陸時、浮上直前にブルブル振動が出ましたが、浮上後とフライト中は振動が出なくなりました。テールの押さえも良好で、ピルエットからの止めも、筆者のレベルでは問題ありません。バンク旋回中のラダー操作もやりやすくなった感じです。これらはDS35による改善と考えられます。また、バックフリップ、フロントフリップ、サイドフリップがやりやすくなりましたが、これはメタルスワッシュによるものと考えられます。
機体そのものは、飛ばしやすく、性能もよいのですが、上述のような問題点があるため、初期性能を維持することがむずかしく、アップグレードには、それなりの手間と費用がかかります。この点から、筆者としては、あまり積極的にお薦めできません。
・関連ページ:マイクロヘリのピッチ測定
last updated 2014.03.27