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クラヴィコード

出展者:小渕 晶男


種 別:Fretted Clavichord

音 域:C - f3

鍵盤数:54 (弦は39対)

レジスター(弦列):N/A

全 長: 1296 mm

全 幅: 357 mm

高 さ: 110.5 mm

スケール(c2の弦長): 254 mm (speaking length)

製作者または製作会社:小渕 晶男

製作年:製作中

様式またはモデル:Cristian Gottlob Hubert (1784)に基づく。


 スクエアピアノを作ってからその前身ともいえるクラヴィコードを作ってみたいと思っていました。構造的には両者は非常に似ています。底板が弦の張力で反るところも同じです。底板はあらかじめ上に凸になるように湾曲させて作ります。弦を張った後に平坦になる予定(期待)です。
 以前に試作したガイゲンヴェルクでも同じですが、他の鍵盤楽器では出来ない「音を出してからも奏者の体(指先)と発音体が繋がっている」と言う所に魅力を感じます。
 「オルガンやハープシコードの代わりに奏者が家でクラヴィコードを練習用に使った」というのは事実だと思いますが、作曲家も家には大きな楽器はなくクラヴィコードで音の確認等をしたということも何処かで読んだ記憶があります。それを一回り広げて解釈すれば、クラヴィコードで作曲した曲を演奏するのに、大勢の聴衆に聞かせるという目的でハープシコードやオルガンが使われたのは、ある意味代用品だったといっても良いのかもしれません。
 転勤でアメリカにいた時にヴァイオリンのレッスンを受けたことがあります。その時、「自分にIMPRESSするように弾きなさい」と言われました。英和辞典に載っている意味しか思い浮かばないできょとんとしている私に「EXPRESSではなくIMPRESSです」と言われた時、目から鱗状態になった経験があります。クラヴィコードのことを考えていると、いつもあの時に言われた”IMPRESS”を思い出します。






参考出品:磁石を利用した、響板の厚さを測定する器具



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